on the tightrope

「帝都物語」

どうでもいいけど疲れるね、パープルアイス...

2000年5月29日(月)

あまりにも更新しないと、更新する気があるのかと思われそうなので一応書いてみるが、実はあまり更新する気が無いのだ。

先日天気のいい日にうちの周りをデジカメを持って散歩してみた。道を歩きながらふと下を向いてマンホールを見てみた。いままで気がつかなかったのだが、改めて見るとマンホールの真中に「汚」という文字(というよりもロゴか)が書いてある。汚水の「汚」なのだろうが、シンボルとしてはなかなかインパクトがある。そう思って道を歩くと、マンホールと云うヤツはやけに数が多いのだ。そこら中に「汚」と云うマークだらけだ。下を汚水が流れていると云うそれだけのことなのだろうが、考えてみるとこれだけの数があると云うことは、僕らは「汚」れた(よごれたなのか、けがれたなのか)ものの上に生活していると云うことなのだ。これはどういうことか。汚物を封印しているのか、それとも僕らの生活する現実と云うものが実は汚物の上に成り立っていると云うことなのか。

病み上がりなのかそれともまだ病んでいるのか、果たして風邪が治ったのかどうか定かでは無いが、起きた感じからしてそこそこ普通な気がしたので家を出た。実を云うと、一昨日の土曜日に一日寝て過ごしてしまったのと、日曜日のテレビがあまりにも退屈なものだから、寝てばかりいては却って具合が悪くなる、と風邪で熱があるとも知らずに昨日の日曜にも店に行ったのだった。で、打つ台が無くて結局パープルアイスを打ったのだが、展開は珍しくよかったものの、いつまで経っても一向に頭痛が治まらず、次第に具合が悪くなっていることにようやく気付き、夕方に退散したのだった。

店に着いて一通り見てみるが、案の定似たような状況だ。と云うか、昨日は昼頃に行ったため一部のシマしか見れなかったので、たぶん昨日と同じなんだろう。そんなわけなので今日も昨日と同じパープルアイスを打った。ま、20回弱ぐらいの台なので、それなりには出た。投資が1万2千円で済んだと云うことは、この機種にしてはツイてた方だろう。

それはいいのだが、何故か今日はヘンだ。何か違和感がある。何だろう?客がやけに多いのだ。月末近くの月曜の昼だと云うのに。一体これはどうしたことだろう。そんなにヒマな人間が多いのか。そう云えば、このところ毎日決まってスーツにネクタイでどこから見てもサラリーマンと云う人物が朝から同じシマに陣取っている。ジグマと云う意味では立派なジグマ的行動だが、それではあの格好は一体何なのだろう。果たして会社に一度顔を出してから毎日来ているのか、それとも家族にはいってきますと云って出勤した振りをして毎日この店に直行しているのか。謎である。以前fragmentsに学生時代のバイト先の工事現場にスーツにアタッシェケースでやってきて着替えるおじさんのことを書いたが、大方似たようなものなのだろう。彼は相変わらず僕より先に来て、いつものシマで黙々と粘っている。

今日はそれに加えて、僕が箱を詰み始めた頃に同じシマに謎の三人組が現れた。どこから見てもサラリーマンの二人に、自営業者風のおっさん。どうみても会社の営業マンとその取引先の相手、と云う組み合わせ。たぶん見たままなのだと思うが、謎なのは彼らが午前中に現れてそのまま夕方まで延々居たと云うこと。しかも打っているのは二人で、うち一人は最初の五時間はただ連れが打つのをずーっと見ているだけだった。その一人が交代して打ち始めると余った一人はそれを後ろで見ている、と云う具合。これは新手の接待なのか?

パチプロと云う人種は社会に貢献していないと云ったのは田山さんだが、僕が思うにもっとも社会に貢献していないのはパチンコ屋に来て打たないで見てるだけの人間だ。曲りなりにも打っている人間は、プロも含めて売上げと云うものに貢献しているわけだが、ただ見ているだけの彼らは単に他の客や店の迷惑になっているだけである。よしんば彼らが会社員であるとすると、その間全く仕事をしていない、なんら生産的な活動をしていないわけで、それがタマにならまだ分かるが案外こういう人達は非生産的な状態が当たり前になってしまうものだ。それにしてもヒマな人がいるものである。

夕方になってようやく彼らが去り、これでやっと集中出来ると思ったのも束の間、今度は何やら時代遅れなミュージシャン崩れ風の中年のカップル二組が登場。玉を回すのは当たり前、必ず二人は後ろで立って見ている。もうこうなると、僕と云う人間は全く集中が出来なくなるのだ。なんか全く素性が知れない妙な連中(ま、自分も似たようなものだが)が徒党を組んで現れると、アタマから追い払おうとしても「なんだコイツらは」と云う思いが雨後のボウフラのように頭に湧いて来る。病み上がりで体調も悪いことと、ちょうど展開が悪い方に転がりかけて持ち玉を打ち込むことになっていたことも重なって、すっかり嫌になってしまった。すまん、今日は病人だと云うことでここらでカンベンして。次は真面目に打つから。

帰りの電車の中に、平日だと云うのにどこから見ても中学生にしか見えないピアスに茶髪の私服のガキの集団が。こいつら一体なんなんだ。中学中退ってやつか。ようやく彼らが降りたと思ったら、後ろから何かカバが喘息になったような音が聞こえてくる。ちらと見ると呆然と立ったオヤジが間断なくものすごい音の鼻息を鳴らし続けている。フリークス。ああ、魑魅魍魎の闊歩する街。世紀末。何かが少しずつ音も立てずに崩れている。

本日の収支 +23,000

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