ここを更新しなくなってから随分経つ。それは、更新したくないわけじゃなくて、何を書いていいものか、見つけることができなかったからだ。何かを書きたいのだけれど、何を書いていいのか分からない。そんな風にしている間に半年が過ぎてしまった。その間にもいろんな本を読んだ。僕も文章を書きたいと思った。しかし、何を書いていいのか、何を書きたいのかが見つからない。そんな状態がずっと続いていた。いま、こうしてようやく筆を取っているのは、今年がもう終わるからだ。2005年という年。
年末というものはそれなりに感慨があっていいもののような気がするが、今年、この2005年という年はどうもピンと来ない年だ。どうも年末という感じがしないのだ。ふと気がついてみると、一年経ったというのに、いまだに同じ場所に佇んでいるという印象だ。実際、僕を取り巻く状況は一年前とほとんど代わり映えしない。一年経って元の場所に戻ってきたという感じなのだ。じゃあ何もなかったのかというと、そういうわけでもない。途中、酷いノイローゼ、不安神経症になったこともあった。パチンコをやる気が失せた。何事にも興味が湧かない時期があった。一年のうち半分はただひたすら焦っていた。中途半端に会社にも勤めた。何事かに縋り、何事かに失望した。今年は随分と失望の多かった年であった。
こうやって一通り振り返ってみると、結構酷い年だったのだなあと思う。それが今となってはあまり実感が湧かない。元に戻ってみると、なんてことないような気がしてしまうのだった。この、なんとなく酷い一年を常に支えてくれたのが彼女だった。僕が不安というものに絡め取られてあがいているときも、就職がなかなか決まらないで焦っているときも、疑問を抱きながら会社に勤め始めてからも、いつも励ましてくれたのは彼女だった。彼女は僕よりも楽天的だ。なんとかなるじゃん、なるようになるって、というのが彼女の口癖だ。振り返ってみると、この一年はいつも彼女と一緒だったようにすら思える。彼女の飼っている二匹の猫もようやく僕に慣れてきた。45歳から46歳という、ほぼ絶望的にすら思える一線を僕が越えても彼女はなんら変わるところはない。僕はその楽天さに助けられ、支えられてきた。結局回り道をして元に戻ってきたような一年だったけれど、この一年を彼女に捧げよう。
written on 31st, dec, 2005