believe

「信じる」

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人類史上、もっとも数多く人を殺してきたものは何か。1位、宗教、2位、イデオロギー。この2つがダントツだ。この2つに共通するもの、それは何かを(もしくは誰かを)「信じる」ということだ。なんて皮肉なことだろう。信じることが人を殺し続けてきたのだ。まあでもそれも道理だ。信じることは人を盲目にするから。盲信は主観的には幸せかも知れないが、客観的には凶器、あるいは狂気だ。だが、果たして何も信じないなんてことが出来るだろうか。何かを信じなければ祈ることすら出来ない。何かの教訓を得るとすれば、人を簡単に信用するな、人の話を鵜呑みにするな、ということか。どこかで聞いたことのある言葉だ。そうか、自分で書いた小説の中の登場人物の台詞だ。自分を救えるのは過去の自分だけだ、というのは矢沢栄吉の言葉。それはどこか正鵠を射ていると思う。だが、今の僕にはなかなか自分というものを信じることが出来ない。もちろん、自分を救えるのは自分だけだ、ということは先刻承知なのだが。

written on 17th, aug, 2011

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