で、興奮冷め遣らぬまま思い出すと、学生のときのバンド仲間の同級生に、ジェネシスのコピーかなんかをやってるすかしたドラムの奴がいた。まあ、悪く言うとええかっこしいの奴なんだけど、コイツがある日、「西村寿行は最高だぜ」などと真顔で言うものだから、一冊文庫で買ってきて読んでみた。まあ、読んだことのある人ならわかると思うのだが、これがまた、漫画でもなかなか出来ないほどバカバカしく飛躍する話と、人間ここまで興味本位で話が書けるかね、というインパクトの強い小説で、おお、もしかしたらこれは凄いのか、などと思ってその後2・3冊読んだ。さすがに、いい年した大人が真面目な顔してこれ書いてんだろうか、とバカバカしくなって読まなくなったが、彼の得意な表現に「おとこさま」と言うのがある。要は、突然意味なく陵辱されたりする貞淑な女性が、急に快楽に身を委ねて男にしがみついて「おとこさまー」とよがってしまったりするのだが、単純にこの人、女性を屈服とか服従させるという嗜虐趣味とか、被虐趣味、要するにSM志向が強いんだろうね。しかし、「おとこさま」と言う発想はすごいな...。それも一冊だけじゃなくて、どの小説にも出てくるからね。何考えてんだろ、この人。
ついでの話だが、男女の性器の呼び名と言うのは、各地方の方言でいろいろあって、全く自分の住む地方とかけ離れた表現と言うのはその人にとっては全然平気なものである。ま、関西の「お○こ」と言うのは有名になり過ぎた嫌いもあるし、なによりヤケに露骨な感じがする。九州で言うらしい「ボボ」(そのまま書いても平気だもんな...)なんかは、響きが可愛いもんね。むかしボボ・ブラジルと言うプロレスラーがいたが。
で、うちの田舎では「○っちょ」(○の中に「べ」が入る)と言うのだが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの曲でBetchaを連発する曲があって、何やらこっぱずかしく、おまけにこの曲がまたかっこいいので困ったものである。それで昔仕事でロスに滞在していたときに、スタジオからホテルに車で帰るときの話。
僕らが二台に分乗して、フリーウェイをぶっ飛ばしていると、もう一台のM夫妻が乗った車がすーっと横に並びかけた。すると、するすると助手席のウィンドウが開き、「ニューミュージックの女王」が顔を出すと、僕に向かって大声で叫んだ。
「○っちょー!」
...あのね。
念のために言っておくが、僕はスケベと言うよりは正直な人間なのである。ま、スケベだけど...。