ヒロミ

スーパーでコカ・コーラ・ゼロのペットボトルを買うときに、今はW杯仕様(?)でボトルに名前が入っているので、どうしても男の名前だと抵抗がある。全部代表サッカー選手の名前であるならまだ諦めもつくのだが、どうもそうでもなさそうだ。なので、今まで付き合ったことのある女の子の名前を選んで買っているのだが、これまでに2本しか買えていない。今日も2本買おうと思ったのだが、どう探しても今まで付き合ったことのある女の子のボトルは1本しかなかった。こんなことに拘ってもしょうがないとは思うのだが(ペプシにすればいいのだろうけど1円高い)、気分というものはどうしようもない。

そんなわけで風呂上がりの今飲んでいるのは、20年前に付き合っていたレニー・クラヴィッツが好きだった女の子のコーラ。彼女は当時30歳だったがどう見ても二十歳ぐらいにしか見えず、かつてアイドル歌手にならないかとレコード会社に誘われたことがある女の子だ。誰もが彼女の実年齢を聞くと驚いていた。彼女と結局別れることになったのは、彼女が突然ドラムを習い始め、それがどうやら本気らしく(彼女はまったくリズム感がなかった)、挙句の果てに本気で歌手デビューを目指すとかミュージシャンになるとか言い始めたからだ。最初は僕も曲を作ってあげたりしていたのだが、どうやら彼女は本気らしいと分かってとても手におえないと思った。

どうして彼女が突然あんなことを言いだしたのか、スティックを持ち歩いて出鱈目なリズムを叩いたり(酷いものだった)、30を過ぎて歌手としてデビューすると言い張ったのか(まともな発声すら出来ない)、いまだにさっぱり分からない。もしかして僕の学生時代のバンドのビデオとかを見たせいだろうか。それとも僕がまだ音楽業界の現場にいたからだろうか。確かに彼女はルックスはよかった。僕らが砧公園でデートしているところを僕がかつていた松任谷の事務所の女の子に目撃され、僕がアーティストの女の子と付き合っているという噂まで立てられた。しかし、それにしても、彼女といい元妻といい、どうして僕と付き合う女の子は一度言い出すと物事を決して譲らないのだろうか。それは世の中の女性全体に通じることなのだろうか。それともたまたま僕がそういう巡りあわせにあるか、僕がそう思い込んでしまうせいなのだろうか。

今思うとまったく完全に完璧に見込みがないとぴしゃりと言うべきだったのだろうが、言えなかった。それは彼女の思い込みがあまりにも強かったせいもあるけれど、そう言ってしまうと僕らの関係が終わってしまうような気もしたからだ。だが、結局はそれが原因で僕らは終わってしまった。

いまだに僕がどうすればよかったのか分からない。彼女は元気にしているだろうか。たぶん、元気にしていると思う。何しろ、彼女から元気を取ると何も残らないような女の子だったから。もしかすると、いまだにレニー・クラヴィッツに合わせてドラムのスティックを叩いているかも知れない。

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