something to eat

「丸ぼうろ」

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スーパーで買い物をしていて「丸ぼうろ」を見つけて買った。好きなのである。見ると「佐賀銘菓」とある。知らなかった。

僕は自分の中のプライオリティから云ってもグルメでは無いとは思うが、それでも一応よりうまいに越したことは無いし、まずいものはまずいと思うし単なる食わず嫌いで食べられないものもかなりある。考えようによってはグルメでは無いかも知れないがわがままではあるのかも知れない。そう云えばむかし北浦和の駅前の喫茶店で頼んだミートソースのスパゲッティを2本食べて全部残したことがあった。何しろどこをどう考えてもインスタントであり、麺に至ってはうどんと見まがうばかりのボイルオーバー。こんなものに金が払えるかと憤るほど当時はまだおじさんではなかったので、無言の抗議をするに留まったが。まあ、アルバイトらしきウエイトレスの女の子にはなんか申し訳ないような気がしたのを覚えているが、だいたい日本の喫茶店と云うもの、看板にコーヒーと銘打って出すにはあまりにも煮詰まって味も香りも無いものが多過ぎる。こんなもので金を取って恥ずかしくないのかね、などと好きなものに関しては小うるさかったりするのだ。ついでに思い出すと、いままで飲んだコーヒーの中で一番まずいと思ったのは、最近はどうか知らないが、少なくとも10年前の六本木のマクドナルドのアイスコーヒーと、やはり六本木のケンタッキーのコーヒー。前者はこの世のものとは思えないほど酸っぱかったし、後者はどう考えてもコーヒーの豆じゃなくて大豆かなんかで出したとしか思えなかった。こんなものに金を払って飲む人たちも謎だが、これらを作っている人はいったいどう云う味覚をしているのだろう。どちらも六本木と云うのがミソ。ちなみにいままで飲んだコーヒーの中で一番薄かったのは、17・8年前にビーイング(音楽プロダクション)で出されたコーヒー。何故かこれも六本木だ。

一応スーパーで食べ物を買うときにはなんとなく裏返して生産地を見たりする。で、産地が田舎であればあるほどちょっと嬉しかったりする。要するに田舎者であるが故の田舎に対するシンパシーのようなもので、グルメでもブランド志向でも決してあるわけはないのだが、実際のところ、例えば松前漬だったら仙台のものより函館のものの方がイカが圧倒的にうまかったりする。ただし、フォローしておくと仙台味噌はうまいぞ。

丸ぼうろに話を戻すと、なにやら響きが煙草のマールボロと似てなくもないが、説明書きを読むとポルトガルから伝わったのが由来と云うことであれば、案外語源が一緒でもおかしくない。ところで佐賀県と云えばその昔、「おしん」を苛めるところとして妙な風評が立ってしまったところだが、この菓子の外袋を見ると

「丸ぼうろは商品の性格上、ややくっつきやすい面を持っておりますので、その点につきましては、ご容赦下さる様お願い申し上げます。」(原文ママ)
と書いてある。「やや」と云うところがニクい。意外と応用が効きそうである。メールフレンド募集あたりに使えそうだ。例えば、「わたしは昔から自他共に認めるハンサムですが、現在はやや老けています」とか、「趣味は音楽鑑賞でーす。やや処女でーす」とか、「浮気しようかな、なんて考えてる人妻です。スタイルにやや難があります」とか。

それはともかく、例の丸ぼうろの但し書きに戻ると、そんなことまでお願いしなくてもと云う気もする。律儀なところである。まさか、なんでくっついてるんだ、などと怒鳴り込む人も中にはいるのだろうか。

ん?確かにくっついてはいるな...。

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