mirror

「鏡」

...

ときどきでっかい鏡が目の前に現れて、自分の姿を映し出す。逃げ回ってばかりのモラトリアム人間。僕は自分の無力さに歯を食いしばり、自分の積み重ねてきたものに地団太を踏むのだ。鏡の中の僕はおろおろと目を右往左往させて、出口を探すのだった。

いやすまん、それは嘘だ。出口は実は目の前にたくさんあって、僕は茫然と立ちすくみながら、どれが本物か考えているだけなのだ。

written at 17th, may, 2001

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