music vol.3

「ギョーカイ人」

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最近電動歯ブラシを使っている。以前は食わず嫌いであんなものと思っていたが、使ってみると意外とよかったりする。実はこの歯ブラシ、保険が送ってきたもの。僕が入っている健康保険はここ数年来「東京芸能人国民健康保険」という何やら軟派な保険。要は国民健康保険とほとんど変わらないのだが、いわゆる「芸能関係の仕事」のひとは収入の定まらないことが多いので、過去2年間で(確かそうだったと思う)収入の少なかった方の年を基準に保険料を決められるというのが唯一の利点。

この「芸能関係の仕事」という言葉には個人的に抵抗がある。僕自身はあくまで「音楽関係の仕事」をしているつもりなのだ。別に芸能人や芸能関係の人を蔑んでいたりする訳ではないが、ちょっとコンセプトや目的が違うような気がする。もちろん、芸能周りの仕事がしたくて音楽の仕事をしている人はたくさんいて、どちらかというとそっちの方が主流だったりもするのだが、僕の場合性格的に見栄の張り合いみたいな場は非常に苦手なのだ...。そんなことをいいながらも、ライヴ会場で腕組みして見ていたり、打ち上げ会場で「どーもー」と言ったり、「むかしオレが××をやってたときさあ」なんてことをしゃべってたりする自分がいる訳で、情けないことこの上ない。まさに忸怩たる思い。

だいたい「ギョーカイ人」なるもの、昔から軽佻浮薄の代名詞みたいなところがあって、誤解されてること甚だしい。最近こそみかけなくなったが、以前ドラマでディレクターとかプロデューサーなんて役どころは大概がホテルで新人タレントをオーディションと称して押し倒そうとする...(そこで主人公が助けにくる)なんてのばかりで、実際そんな類の事件も(詐欺とか)あったりもした。最近テレビでたまに見かける往年の某大物プロデューサーはスタジオで押し倒した、なんて話もあるにはあったが。

誓って言うが、僕はこれまで一度も作家やアーティストに手を出したことはない。僕が勝手に惚れることはしょっちゅうだけど。もっともこれは僕が真面目すぎるだけかも知れないけど。最近知ったところでは僕が長いこと関ってきた学校のスタッフで生徒に手を出していないのは僕だけだったなんて話もあるし(ただし真偽の程は定かではない)。いずれにしろ僕がこの業界に入ってからはモテなくなった(気がする)。その前まで(バンドをやってたりしてたころ)は無茶苦茶モテてたんだけど(と思う)。この仕事やり始めてからモテたのは、むかしスタジオの帰りにテレクラに寄るのが流行った頃ぐらいかな(笑)。でも実際、むかしに比べると業界の人間やミュージシャンはモテなくなったと思うよ。

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