最近はピアニストを聴くことが多くて、定番だけどなんだかんだ言って、気分の落ち込んでいるときなど、ビル・エヴァンスが一番落ち着く。僕は筋金入りのコアなジャズファンでも、研究家でもないので、ビル・エヴァンスのジャズの歴史におけるポジションとか、果たした役割とかは正直どうでもいい。
ビル・エヴァンスのプレイスタイルをどう表現したらいいだろう。クラシックに影響を受けたヴォイシング、スケールアウトしないスタイル、端正というべきか。オーソドックスだが、今聴いても古臭い感じは全然しない。初期のルックスは礼儀正しいというか、ストイックな印象だったけれど、後期は髭面に大きな襟の開襟シャツという、いかにもアメリカの田舎の安酒場にいそうなワイルドな感じになったが、プレイスタイルはむしろより繊細でリリカルになった。どちらかというと内省的で、激情をあらわにするタイプではなく、絶妙に抑制が効いている。実生活でのビル・エヴァンスは飲酒と麻薬の常習者で、それが原因で51歳の若さで亡くなったのはなんとも皮肉だ。
ビル・エヴァンスとエディ・ゴメス(Eddie Gomez)の組み合わせが好きだ。ビル・エヴァンスのエレピも好き。このアルバムはドラムレスのデュオ・アルバムだが、よく聴いた。朝聴いてもいいし、どんなシチュエーションにも合う。
"Intuition" Bill Evans / Eddie Gomez
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Bill Evans (piano)
これも甲乙つけがたい傑作。節度のあるセンチメンタリズム、それでいてどこかはなやかさがあるアルバム。エディ・ゴメスのベースの表現力も光る。
"I Will Say Goodbye" Bill Evans Trio
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Bill Evans (piano)
ライブではこのアルバムが好き。74年の録音だが発売は91年。演奏は文句なしなのだが、ミックスのバランスがベース・ドラムのリズム隊が大きくて残念。
"Blue In Green : The Concert In Canada" Bill Evans
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Bill Evans (piano)
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Bill Evans (piano)
どちらもヴィレッジ・バンガードでのライブ。ビル・エヴァンスを語るキーワードに「インタープレイ」があるが、ベースのスコット・ラファロ、ドラムのポール・モチアンと組んだこの初期のトリオでの演奏がその代名詞となった。リズムセクションがただ伴奏するだけではなく、演奏者が互いに呼応することでスリリングでヴィヴィッドなものになる。今では当たり前のことだけれど。
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Bill Evans (piano)
インタープレイの代表作として、学生時代によく聴いた。今でもこのアルバムジャケットが、世の中のありとあらゆるアルバムジャケットの中で一番美しいと思う。演奏は素晴らしいのだが、録音状態があまりよくないのが残念なところ。