stale

「古臭い話」

こういうのアップするのって結構勇気いるんだよね。映画の仕事出来なくなったら大変だ...

刑事ものに目が無いのである。そんなわけでTひろし主演のそのものずばりの「K事」と云うドラマを見た。いきなり物凄いセンスの音楽に唖然とするが、気を取りなおして見てみよう...としたのはいいけどなんでこう四六時中余計な音楽鳴ってるんだ?ま、いいか...それはともかく、日刊スポーツ主催のオーディションで賞を取った未来の裕次郎らしい新人、まるで学芸会並みだ。裕次郎を選ぶのに演技もセリフも選考基準に無かったのか?ま、いいか...なんだ?この被害者の父親役の臭い演技は?。それに絵の具丸出しの血は。うーむ。結局20分しか我慢できませんでした。

感覚なんてものは人によって千差万別で、それはそれでいいのだろうが、なんだこのセンスは?大時代的と云う言葉はあるが。こういう感覚の人って一杯いるんだろうな、実は。

劇場映画の仕事は今までで二本しかやってないんだけど、この現場からして凄いものがある。二本のうち一本はアイドル映画で、もう一本は超能力もの(...)だからしょうがないが、このうちの一本の監督は何故かそこそこの予算をいつももらって大作ばかり撮らせてもらっているがそれがすべて駄作と云う、そこそこ名の通った監督である。かたやS、かたやTと云う、まさに日本映画界を代表する会社なのだが、その古臭い体質には驚くものがある。Sの方はまあ十年前の話ではあるのだが、それにしてもまず打ち合わせに現れた社員プロデューサーのセンスに驚いた。小太りのオヤジが千鳥格子のジャケットでオレは偉いんだぞと云わんばかりにふんぞり返ると云う、まるで昔の映画のパロディを地で行くおっさんである。昭和初期の映画人の真似を冗談でやってるのかと思ったらそうでもないらしい。このオヤジはいまだにスタッフロールとかで名前を見かけるので、相変わらずなのだろう。打ち合わせには何故かもうとっくに人間を引退したと思われる、動くのが不思議なくらいよぼよぼの爺さんが居て、これがなんと会社所属の音楽コーディネイター(音楽業界で云うインペグ)だと云う。背も低いが腰も低い。それはいいのだが、爺さん曰く、「楽士はどうしましょうか?」。生まれて初めてミュージシャンを楽士と云う人間を見た。かたや予算はもらえるが覇気の無い例の爺さんの映画、中国ロケのラッシュを見ているあいだ退屈のあまり瞼がシンコペーションを刻みながら半分以上気絶してしまった。

僕は基本的に邦画が好きだし、支持もしているのだが、まずはこの体質変えなきゃな。

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