実をいうと僕はかの有名なパチプロの田山幸憲氏といっしょにパチンコを打ったことが随分あるのだ。
といっても一度も声をかけたこともないし、向こうは多分僕のことなど全然見覚えもないだろう。要するにたまたま僕が住んでいるところが田山さんと同じ（用賀）ということなんだけど..
ことのはじまりは、隣の駅である桜新町に行ったとき。たまたま当時田山さんがネグラにしていたＨ店の前を通りかかったので、そういえばここは田山さんのネグラだなと思い（ガイドで日記を読んでいたので）のぞいてみたら、そこに本当に田山さんがいたのであった。ちょうど癌の手術から退院したころで、左腕にサポーターをして地下で球界王を打っていた。ほんとにいるんだ（あたり前か）と思いながらも、一階を見てみると僕の好きなセブンゲッターがあった。それで、どちらかというと田山さんがいるからというよりはセブンゲッターを打ちにしばらく（半年ぐらい）この店に通ったのだった。田山さんの日記に書いてあったように当時からこの店はガラガラに空いていた。それでもまだ最初は多少なりとも客がいたが、日を追うごとに客が減っていき、ほんとにどうしたのかというぐらい客がいなかった。田山さんはそんなに毎日くる訳じゃない（僕はそのころプータローだったので毎日のように通っていた）が、朝行くとパチンコのシマにいるのは僕と田山さんだけとかいう状況もままあった。しかもその二人とも釘を見る（もっとも僕はセブンゲッターと夢幻伝説の２シマだけ）という、なんとも不思議な店だった。最後の方は夕方ぐらいまで１階でパチンコを（長時間）打っているのは僕だけということがよくあった。店としてはまるっきり赤字だったろう。そのころの田山さんはＣＲ機を打っていたので、結構負けることも多かったんじゃないだろうか？僕がセブンゲッターやら夢幻伝説で粘っている間、昼すぎぐらいに憮然として帰る田山さんを何度か目撃した。帰る間際に１階の現金機をちょろちょろ打っていたのが印象的だった。
その後あまりの雰囲気（誰もいない）と釘のシブさに、僕は用賀のＭ店にネグラを移して夢幻伝説（時間効率、確率悪いがちょっとした攻略法があった）とハニーフラッシュを打っていた。この店は小さい店で、しばらくすると釘をまったくアケなくなったので、僕は渋谷で打つようになった。たまに用賀で遊びで打つときはＣ店で打つようになった。なぜかというとこの店は用賀では一番あとからできた店で、やたら小さくて現金機ばかりなのだが、台数は少なくとも比較的機種を頻繁に入れ替えるので、現金機の新しい機種を置いてあるからだ。そこでまたまた田山さんを見かけるようになった。２ヶ月後ぐらいにガイドにネグラ替えをしたと書いてあったが、そのころはどうしてこんなとこで打っているんだろうと思った。ＵＦＯ伝説あたりで結構出していた。
つい最近までＣ店では田山さんを見かけていたのだが、今年の夏ぐらいからほとんど見かけなくなったので、どうしたんだろうと思っていたら、ガイドを見るとどうやらＨ店（用賀）にくらがえしたようだ。この店は等価交換になってから釘が目茶苦茶になったのでほとんど打ったことはない（昔はよく打っていた）が、たまに通りがけで釘だけ見ることはある。おもしろいのは釘を叩いている店長が、以前僕が通っていた頃（田山さんもネグラにしていたころ）の桜新町のＨ店の店長なのだ。まあ、同じチェーン店なので別に不思議なことでもないが..
そんなこんなで、僕の田山さんに対する印象はというと、「あっちゃこっちゃ打つ（台を移動する）ひと」という印象なのだ。僕にとって台をあれこれ移動するのは典型的な負けパターンなので、どうも首をひねってしまうところはあるのだが..常勝のパチプロというイメージではないのである。誤解して欲しくないが、僕は田山さんの日記を単行本で全部持っているし、人間として尊敬もしている。彼のことをオカルトだと言って、確率論に終始する人達を実践的だとも思わない。僕自身、いまのところパチプロでもないし、ただのちょっとだけ釘が読めるパチンコ好き（最近は打ってても楽しくはないが..）程度だ。要するに彼のファンなのだ。でもね...
たぶん僕が見かけるときは、打ち始めと帰り際が多いせいで、そういう印象なのかもしれない。そもそも田山さんの日記を読んでも台を移動するのは彼のスタイルでもある。粘るときはちゃんと粘っているし...ただ僕の勝手な願望から言うと、釘読みの達人たるパチプロは、一発で台を読み切って欲しい、そこそこの釘読みしかできない僕なんかと歴然たる違いを見せて欲しいと思ってしまうのだ。もちろん、無茶な注文だと思うし、一番台が常に勝ちをもたらす訳ではないことぐらい重々承知なのだが...何しろ日本一有名なパチプロだと思うし...当人にとってはそれが大きなお世話なんだろうな。