time is money vol.15

「ヒマに関する考察」

これ書いたの去年のいつだったかなあ。ま、いいか...

先日某店で打っていたときのこと。この店はとにかくやたらと場内の音楽がうるさい。さすがに堪りかねて、打ち始めて早々、久々に耳栓を付けてしまった。

大体、パチンコを打っている間に何を考えているかと云うと、打ち始めの現金投資時はとにかくひたすら回転数を数える。とにかく、自分が選んだ台のクオリティを確認する。持ち玉になったり、或いは自分が思ったより回らなかったり、逆に回ったりする場合は玉筋を見たり、最初にチェックしきれなかった釘を見たりして、どこがどうだからこうなっているのだろうかと確認する。

打ち始めてしばらく経ち、クオリティも粗方分かって、回転数をチェックするのにも飽き始め、ついでにハマったりしてくると次第に精神的に苦痛を覚え始める。この辺りに差し掛かると、大体自分の精神的な弱さと云うものを反芻して、自分の弱点はどこにあるのか、それを克服するにはどうしたらいいのかなどと、さながら進学塾に通う受験生のようなことを考え始める。

そこも通過すると、もうすっかり状況の中に入り込んで打ち続ける状態に慣れてしまい、精神的苦痛にも慣れてくる。そうなると次第に退屈になってきて眠くなったり、肉体的な疲れの方が気になったりもする。この辺になるとすっかりルーティンワークの状態になって、集中力も多少落ちて、一種のランナーズハイのような状態になっているのだろう。

この日の場合は耳栓を通して聞こえてくる音楽にアタマが行き始めた。この店は日本のヒット曲をかけているようだ。時折針飛びみたいになるところをみると、有線ではなくCDでアルバムをかけているようである。そのうち広瀬香美がかかり始めた。こいつのクリスマスを唄ったバラードいい曲だったな、アレが聴きたいな、などと思っていたらその曲がかかった。改めて聴いてみると、ワンコーラス長いな。どこが長く感じるのだろう。そうか、Bメロちょっと長いぞ。お、違うバラードもいいではないか。このアーティストどっちかと云うとバラードの方がいいな。ただ、例の演歌のようなこぶしの利かせ方は気になるな。ビブラートもちょっとかけ過ぎだ。そう云えば、昔バックをやっていたYが、本人はブラックミュージックやジャズが好きらしいと云っていたが、唄い方はまるで日本人だな。しかし、考えてみると、ハモったりするとインパクト強いし、結果的にはこの唄い方が押しが強く聞こえるのでいいんだろうな...

要するに、自分が思っているよりも打っている間と云うのはヒマなのである。それにしても、耳栓をしてちょうどいい音量ってどういうこと?

back