wonder-ful world vol.1

「不思議なこと その1」

不思議なことほど、知りたくなる。

京極夏彦の小説の主人公京極堂のセリフ「不思議なことなど何もないのだよ」ではないのだが、絶対的な「不思議なこと」はない(多分)が、相対的には確かに存在する。

というのも、実は昨夜珍しく氷をつくろうと思い(面倒くさいので滅多につくらない)、韓国製スリードアの冷蔵庫の冷凍庫を開けたとたん、世にも不思議なものを見てしまったのである。なんと冷凍庫の手前半分に3〜40匹の小さな羽虫(生ゴミとかスイカの皮の回りを飛んでるヤツ)の死体があったのだ。ぎょっとすると同時にすさまじい速さで考えた。前回開けたのは確かここにあるアイスクリームを食べたときだ、そのときはこんなものはなかった、いやなかったはずだ、それからは開けていないので開けっ放しにしているはずはない、開いていたのはせいぜい30秒もないはずだ、その間にこいつらは全員飛び込んだのだろうか、いや閉めるときにこんなたくさんの虫が中を飛んでいたらいくらなんでも気付くはずだ、これはどうみても凍死だ..なんてことが頭の中を飛び交った。なんか誤解されると嫌なんだが、うちは一階なので基本的に湿気がたまりやすく、カビが発生しやすいし、電気製品も壊れやすい。別のところにも書いたが、7月に1週間ばかり仕事でロンドンにいって留守にしていたのだが、帰ってみると台所の三角コーナーの生ゴミとかにカビが生えまくっていて、羽虫がブンブン飛び交っていた。おまけにゴキブリもコソコソ走っていたので、先月とかはゴキブリホイホイをそこらじゅうに10個ぐらい置いた。(なんか自分で書いていてもすごいところに住んでいるような気がするな..)当然それ以来、三角コーナーはマメにとりかえて、殺虫剤もガンガン撒いたので、羽虫連中は最近見かけていなかった。最近見かけないなと思ったらこんなところにいたとは...

真夜中にもかかわらず掃除機で死体を吸い取りながら(なんかインパクトあるなあ..)、冷静に考えてみると、一番可能性があるのはこういうことだ。「冷凍庫の手前に冷気を送り出す送風口みたいなのがいくつかあって、その周辺に死体がかたまっている。この送風口はたぶん冷蔵庫の裏からファンかなんかで取り入れた空気を冷やしてここから送り出すのに違いない。ということはこいつらはなんかの拍子に吸い込まれたか(たぶん僕が殺虫剤を撒いたときか?)、それとも涼みにでもきたのか(そんなことあるのかわからんが)、裏の空気取入口やらファンやらを通って出てきたところ、なんとびっくりそこは零下の世界、八甲田山よろしく息絶えた。」多分これが正解だろう。そう考えると別段不思議でもなんでもないが、そこは彼らに直接話を聞いた訳でも、目撃者がいる訳でもないので(あたりまえか)、ほんとのところは定かではない。要するに、発見したときの僕の心境としては、一種の密室大量殺人(笑)の現場を偶然発見してしまった状態なのである...。んー、なんかくだらないことを長々と書いているような気もするな..。すいません。でもほんとにおどろいたのよ。

事実は小説よりも奇なり。

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