wonder-ful world vol.6

「不思議なこと その6 九死に得た一生」

ドラフトって当日になるとつまんないな。そう思わない?

みなさんは九死に一生を得たことはないですか?いつも乗っている車両に乗らなかったせいでサリンを免れたとか...僕にだって九死に一生を得た経験はある。

僕が煙草を喫い始めたのは高校生のとき。当時から今までニコチンとタールの摂取量はあまり変わってないはず。つまり軽い煙草に換えるたびに本数が増えているので。ちなみにいまはだいたい一日マイルドセブンライト3箱とちょっと。長生き出来んか...一番集中して喫ってしまうのは朝食(コーヒーとトースト)を食べてから駅にいくまで。この間はほとんど休みなく喫ってしまう。習慣というのは恐ろしいもので、道を歩いているときは煙草を喫いたくなってしまう。帰り道も同じでいつも煙草を喫いながら帰る。

という訳でまたまた今を去ること16年ぐらい前、僕は高円寺の駅から歩いて20分というとんでもなく駅から遠いアパートに住んでいたのだが、当時も今と変わらず煙草を喫いながら20分の距離を歩いて帰っていた。で、やっぱり咥え煙草でアパートのドアを開ける、という毎日。だいたい先が読めちゃうと思うが、その日は不思議なことにドアを開ける瞬間は煙草を喫っていなかった。それでドアを開けた瞬間、ガスの匂いが充満してた(予想通りの展開でしょ)。このときはさすがに血の気がひいた。なんかいかにもありふれた出来事のような気もするが、咥え煙草でドアを開けるのと、そうじゃないのとでの起こる結果があまりにも歴然と違う。もし煙草を喫っていてガスに火がついていたら、となり合わせの大家の家を含めて2軒ほど吹き飛んでいただろう。もちろん僕は10メートルぐらい離れた電線に引っ掛かったりしたことだろう。

子供のころ好きで読んでいたSFのテーマのひとつに「パラレルワールド」というのがあるが、つまり同時に起こりうることが平行して存在する世界、つまり無数の選択肢とそれに起因する結果が別々に存在していたら、ということだ。一種のあみだくじのようなものだ。パラレルワールドをテーマにしたもので代表的なのは、もしも第二次世界大戦で連合国軍が敗れていたら(最近では村上龍の「五分後の世界」とかがそう)というようなものだ。そういえばフジテレビで「もしも...」だか「if」だかというドラマもやってたな...

もちろんあみだくじをいつもいい方を選んでいるとは限らない。あのとき会社を辞めてなかったら、とかもっとひどい人はあのとき人を殺してなかったら、とかいう人もいるはずだ。しかし現在の自分はそれ故に存在していることも確かだ。とりあえずは生きていることに感謝することにしよう。

考えてみるとこれ読んでいる人はどちらかというと九死に一生を得ているはずだな。得ていなけりゃ生きていないもん。

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