ビデオに撮っておいてあった「眠れる森」をまとめて3話まで見た。
新聞(うちは日刊スポーツ。すいません)によると新しく始まったドラマの中で一番ブレイクしそうということだ。とりあえずキャストが力はいってそうなのと、脚本が野沢尚なのでおもしろそうなのでこれだけ録画していた。ちなみに野沢尚はこのひとつまえに書いた(「不思議なこと5 白髪三千丈」)一晩で白髪になった経験のある後輩のYの中学だか高校だかの同級生である。そういえばこのYは主役の中山美穂のツアーのバックも長いことやっている。なんだかんだ知り合いの多い奴である。野沢はたけしの最初の映画「その男狂暴につき」の脚本も書いており、ミステリも2冊ぐらい確か出していたがそっちは幻滅しそうなので読んでいない。興味本位な話(つまりあざとい話)を書くとうまい脚本家という印象。
案の定おもしろい。CX(フジテレビ)のドラマにありがちな、言葉使い等を除けばホントにいまの話?という感じもするのだが。たまたまなのかどうなのか定かではないが、おもしろいことにやっぱりこのコラム(「記憶」)に書いた京極の新作と同じ記憶の操作がテーマになっているようだ。にわとりが先なのか卵が先なのか...
そんでもって印象に残ったのが森の風景。なんだかわからんがいろんなことを思い出した。ごく最近だが、札幌のスタジオの部屋から朝見た、風に揺れる森の梢。部屋の中で見ると音もなく揺れるところが、不思議に荘厳な風景だった。昔見た映画に同じカットがあったのだが思い出せない。
もうひとつ思い出すのは、20歳のころ。長野の黒姫のペンションにひと夏居候して初めてつきあった(大人として)彼女と、二人でこっそり抜け出して歩いたペンションの裏に広がっていた森の中。
最近トシをとったのか、以前よりもさらに田舎や自然を好むようになったり、若かりしころを突然思い出して感傷的になったりするのだが、これは現在に満足していないせいか?極度のストレスのせいか?それとも人生の折り返し地点を過ぎたのか?たぶん全部なんだろうな。感傷的になるのは最近恋してないからだろう。カンベンしてくれよ。このドラマも「思い出す」ことがテーマみたいだから。