3月18日、月曜日。
母の手術がいよいよ明日になった今日、またしても病院でひと悶着起こしてしまった。
またやってしまった。明日母の手術だというのに、病院の対応にキレて男性看護師に怒鳴りつけ、次いでやってきた看護師長に別室で延々と説教。なんでこうなるんだろう。
— Sukeza (@anykindoflove) March 18, 2019
なんでこう病院と喧嘩ばかりしているのか、猛省中。考えてみると学生のときに仏文で同じクラスの鈴木コーメイに「スケザは血が熱いから」と言われたが、こういうことだったのかな…。
— Sukeza (@anykindoflove) March 18, 2019
正直言って何故自分が感情を爆発させてしまったのかよく分からない。夜帰宅後に反省してすっかり気落ちして、もしかしたら自分は異常人格なのだろうかなどと考える。そして、僕以外の人々はみな異常に我慢強いのだろうかとか。きっかけはたぶん人から見たら些細なことというか、大方の人々にとってはもしかしたら当たり前のことなのかもしれない。手術の前の晩になって、手術時に必要なものという話になってなんでおむつを用意してないんだみたいなことを言われたことが発端。昨日違う女性看護師にT字帯を売店で買ってくるように言われてから、あ、やっぱりおむつを使うからいいですみたいな話になって、てっきりおむつは病院が用意するものと思っていた。確かに病院の姿勢は曖昧なところがある。黙っていても病院が用意するものと患者側が用意するものの区別、境目がどこかまったくはっきりしない。看護師長に文書化したものを見せてくれと言ったらそういうものはないという。それでは一体どうやってそれを判断するというのか。看護師はそれがまるで当たり前のように売店に行って買ってきてくれというが、それがなければ手術ができないものを患者側に売店に買いに行けというのはどういうことなのか。6年前に自分が悪性リンパ腫で手術入院したときは、前日に自分で売店に行って買ってくるようになどと言われたものはなかった。看護師長曰く、うちではそうなんですと言うが、その「そうなんです」というものを文書化して明言していないのはおかしい。だったらあなたはどうやってそれ(患者が用意するもの)を覚えたのですか?と訊ねてもはっきりしない。一日70円のパジャマは後で請求が来て、1個30円の手術用のキャップは後請求ではなく自分で買って来いという。その違いがどこにあるのかさっぱり分からない。母の足の傷を洗浄するために使うおむつは1個128円ですが病院から出します(つまり後で請求します)という話になっていた。ところが手術時のおむつは買って来いという。こうなると何がなんだか分からない。
別室で看護師長相手に物凄い剣幕でまくしたてているところに手術の説明をするために医師が入ってきて、さすがに面食らったようだった。先日若い男性看護師がタメ口で失礼な口の利き方をしたということもどういう教育をしているんだと言いながら、自分自身がタメ口でまくしたてていた。途中でさすがにこれはよろしくないと思う自分はいたのだが。
その後の医師の手術の説明を、さっきまで物凄い勢いで怒っていた僕が極端に神妙に聞いていたので医者も奇妙に思っていただろう。それにしてもどうしてこれほどまでに感情を制御できないのか。これでは人間失格ではないかと頭の中で急激に反対方向にベクトルが向いて、自家撞着のような状態に陥ってしまった。面会時間一杯の8時に近づき、先ほどの担当である男性看護師がやってきて不愉快な思いをさせてすみませんでしたと謝ってきたのだが、僕も怒鳴ってすみませんでしたと謝った。実際、最初に感情を爆発させて彼に向って怒鳴り散らしながら、一方でまったく冷静な自分がいて、看護師の左目の半分が何かの疾患で真っ赤になっているのを見て可哀そうだななどと思っていた。そういう意味でも、後になって自分の人格がどこかおかしいんじゃないかと思うのも無理からぬことなのである。
今回は単純に言い方がどうのという話ではなくて、背景には病院が母の入れ歯の管理をしていないという不満もあった。夕食時に来ると母は上下の入れ歯をしないで食べている。そのくせ、手術時に用意するものの中に蓋のついた入れ歯ケースなどと書かれていて、まったく噴飯ものだと思っていた。そういうものがちょっとしたスイッチが入って一気に噴出してしまったようだ。それに、日中取った相場のポジションがストップがついて損をしてしまったということで気持ちがどこか荒んでいたのかもしれない。だとすれば人に対して当たり散らしたということになり、ますますもって自分が最低に思えてくる。
帰り道、夜のバイパスを走りながら、ああ俺もとうとうめんどくさい年寄りになってしまったのだな、と思った。いずれにせよ、母が入院してから僕は毎日が一杯一杯だった。ちょっと突かれただけでパチンとはじけてしまうぐらいに。
医師の説明では明日の手術は3階の手術室ではなく、1階のカテーテル室で行うことになった。手術は12時半からで、僕は11時半に行くことになった。手術はたぶん夜の7時か8時くらいまでかかるだろうという話。それと大分から来る医者は2人ということだった。あとは手術が無事に成功することを祈るばかりだ。