7月29日、水曜日。
昨夜あれから、真夜中に再び警報が鳴った。隣町の避難指示だった。寝てからまた警報が鳴ると起きてしまうと思い、どうしたらいいか考えた挙句、睡眠薬は飲まないことにした。寝床で本(というか電子書籍)を読みながら安定剤だけ4錠舐めた。町内の最上川は計画水位を超過しているという。リアルタイムの水位を見ると、あと2・3mでこの町でも氾濫しそうだった。二階で寝る気にはなれなかった。一階が冠水したらほぼ終わるからだ。結局、眠らないことにした。夜中の3時に珈琲を淹れてトレードを始めた。これからの人生で、一度ぐらい眠らない夜があってもいいと思ったのだ。考えてみると昔は翌朝の10時までレコーディングしていたこともあるし、インディーズのバンドをプロデュースしていたときはロンドンから着いた成田からスタジオに直行して朝までミックスしたりもした。もっとさかのぼれば徹夜で麻雀をして一睡もしないで翌日のスタジオに入ったことだってある……。
ところが、思った以上に自分はガタが来ていた。4時ごろになって眠くてどうしようもなくなった。水位が何十センチか下がったことを確かめて、結局寝ることにしてベッドに入り、睡眠薬を飲んだ。寝たのはたぶん4時半ごろだったと思う。夢を見た。夢の中でピアノのヤマザキと二人で海辺の街を歩いていた。もしかしたら海辺というのが洪水のイメージなのかもしれない。
目が覚めたのは10時43分だった。寝不足でぐらぐらする。どうやらこの町では最上川は氾濫しなかったようだった。最上川はもっと下流の、大石田から大蔵村にかけて何か所かで氾濫していた。朝食後にソファで昼寝したがそれほど眠れなかった。頭痛がするので昼食後に頭痛薬を飲んだ。午後はトレードを少々。夕方ポジションを手仕舞いしてから、最上川を見に行きたい衝動に駆られた。で、買い物ついでに見に行くことにした。
最上川を見てきた。安全かどうか確かめるために。道は乾き町は元の平和な田舎町の姿を取り戻したが、どんよりした空がまだ不穏な空気を漂わせる。日常がただの日常であることがありがたく思える。 pic.twitter.com/2dw29ZAqrG
— Sukeza (@anykindoflove) July 29, 2020
最上川を見に来た人は他にもたくさんいた。実際に目にすると、あと3mぐらいで氾濫していたんだなとわかる。ツイートにも書いたように、日常が日常としてあることがいかにありがたいかわかった。昨夜はさしずめ、禿山の一夜といったところだった。
間欠的に眠気は襲ってくる。夕食後の夜はJ2の山形の試合(なんと昨日の今日で隣町で試合をやっていた)を見たあと、指の傷が塞がっていたのでギターを弾き直した。間奏のソロは2テイクで録れた。エンディングは1テイクだけ。あとリズムギターもろもろを入れて、ボーカルのピッチ調整をしてミックスとマスタリングをして大体出来上がり。一晩明けて明日もう一度聴き直してみる。たぶん余計なものや足した方がいいものとかがあるはず。
今日は早めに寝たい。