果てしなき流れの果に、夜の蝉

小松左京が死去。たぶん、まだ実家の僕の部屋の本棚には彼の本が並んでいるだろう。一番好きなのは「果てしなき流れの果に」。

昨日からわりと最近では調子悪くない、と思っていたのだが、夕方昼寝したら頭痛。が、もう睡眠薬が切れてしまうのでどうしても医者に行かなければならない。そんなわけで鬱屈しながら医者へと向かう。待っている患者は2人。僕がぐったりとして順番を待っていると、3歳ぐらいの幼児を連れた女の患者が。案の定、幼児特有のやかましさ全開。限界まで我慢していたが床で転げ回って大声で泣き叫び始めると堪忍袋の緒も切れ、母親に「もうちょっとなんとかなりませんか。ここ病院なんで」と一声かけたら途端に静かになった。だったら最初からなんとかしろよ。大体において、開業医の精神科・心療内科の患者というのは、僕を除けば鬱屈している人など誰もおらず、むしろ普通の人より健康で元気に見える。一体何のために通っているのだろうと思うことしきり。大方睡眠薬とか安定剤欲しさというのが正直なところではないか、と思う。薬屋みたいなものだ。

帰りがけ、例のシーウィンドのデビューアルバムの曲をかけている24時間営業のスーパーに寄る。すると、今日はLittle Dragonのボーカル、ユキミ・ナガノが歌っているスウェーデンのアシッド・ジャズ・ユニット、Koopの曲がかかっていた。うーん、一体誰が選曲しているのだろう。趣味がいいというか、あまりにも洗練されていて驚く。

帰宅した後はわりとマシだった。夜半、シャワーを浴びて冷えた新鮮なトマトに塩を振って食べ、涼みに外に出た。マンションの向かいにある、障害者施設の庭のベンチに腰掛け、夜に鳴く蝉の声を聞く。蝉はなんで鳴くんだっけ? 蒸した昼が嘘のように夜気は心地よい。ときおり、そよと風が吹く。こんなときに誰かと話ができれば幸せなのだが。僕はまだ、果てしなき流れの中にいる。それほど悪い世界じゃない、と思う。

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