夜の樹、夜の蝉

夜、精神的に煮詰まったので久しぶりに腹筋をしてみる。ソファでだからウソ腹筋だが、一応50回。続けないと意味ないだろうけど。それでも依然煮詰まっているので散歩に出てみる。どうせだから、今まで歩いたことのない道を歩いてみる。しかし、何もない。延々と続く住宅街。何線か分からないが高架をくぐる。そのうち信号のある交差点に出て、煙草の自動販売機があったので煙草を買った。うちの近くには煙草の自動販売機がないので、そこから何分で戻れるか時間を計ってみた。すると、7分。近いのか遠いのか。部屋には戻らずに向かいの障害者施設の庭のベンチで一服しながら放心。夜の樹で夜の蝉が鳴いている。いろんな虫の声でさんざめいている。僕は足元の地面を見た。やけにくっきりと見える。視覚過敏かも知れない。空には月はなく、星がひとつだけ輝いていた。僕は草を踏みしめながら帰り、シャワーを浴びた。

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