金曜日。
寒くなった。今日から厚手の靴下着用。去年の今ごろ、警察の留置場にいるときに弟が差し入れてくれた奴だ。
去年の今ごろは煙草どころか珈琲の一杯も飲めなかったし外の景色すら滅多に見れなかった。音楽が聴けるのは夕食のときに流れる雑音だらけのAMラジオぐらいだった。僕にはまったく自由というものがなかった。番号で呼ばれ、名前すらなかった(僕は44番だった)。驚くべきことに今の僕はそのことをほとんど思い出すことがない。あのときの20日間耐えた感覚をもう忘れかけている。ということは、潜在的に忘れたがっているということなのだろうか。あのころと比較すれば今は驚くほど自由だというのに。相対的にも絶対的にも。やろうと思えばほぼなんでも出来るのだ。後先考えなければ。困ったことにそういうことの有難味も同時に忘れかけている。
朝、8時半に自民党の広報車の音で目が覚めた。まったくいい迷惑だ。二度寝して9時35分に起きる。外は雪で、今日は雪かきをしなければならないかなと思っていたら午後からは止んだ。やはり酒を飲まないと珈琲が美味しいし気分も悪くならない。本音を言えば翌日に調子が悪くならないのであれば毎晩でも梅酒を飲んでほろ酔い加減になりたいところなのだが。
今日も台所に篭る。何故かというと、暖房の位置と座る位置の関係で台所の方が足元が冷えないから。日中はほぼ何もしてない。6時間睡眠だったので午後に眠くなり、またテーブルに突っ伏して少し寝てしまう。何も出来ないのは暖房で頭がぼうっとしてしまうからかもしれない。トイレでは本を読めるのだが台所ではなかなか読めない。しかし、寒くて暖房なしではとてもいられないし、かといってコタツに入ると結局寝てしまう。かといって、最近の釘状況からして業務に行く気にもなれない。
相場は昨夜天底を取れたっぽいので今夜の雇用統計まで引っ張る。なので日中はチャートをたまに見るだけ。夕方からドル円がどんどん上がっていく。ドル円とユーロドルの両方持っていたが、安全のためにドル円は夕食後母のところに行く前に決済。後はユーロドルで勝負することにする。母のところから帰宅後はBSでやっていた「クリフハンガー」を途中から見て、後は雇用統計に備える。正直、既に普通ならば十分なほどのプラスにはなっているのだが、何しろ昨日この界隈の最低時給の人の月給分ぐらい負けているのでイチかバチの勝負。予想ではドル高に動くはずなのだが事前の指標が予想以上に悪く、ネットで雇用統計ライブってのを見てると予想よりも数値が悪いのではないかという意見が大半を占める。それに雇用統計前に既にドル円が気持ち悪いぐらいに上がっているのも気がかり。気が気ではないがどうせこのままでは負け、仕方ないと腹を括る。
というわけで雇用統計が発表されると予想を遥かに上回るびっくりするぐらい強い結果、世間では円安と騒がれているがこれで明らかにドル高に一気に動く。そんなわけで雇用統計発表後たかだか15分以内ぐらいに決済したのだが、昨日喫した人生最大の大敗を遥かに上回る人生最大の利益を叩き出して大逆転、トータルでプラスになった。まあしかし、今日のところはギャンブルだったなあと。結果オーライな感じ。もう少しセーフティに出来ないものかなと思う。
とまあ、昨日から今日にかけて、こと相場に関しては起伏が凄かった。
今日の母は落ち着いていて受け答えもしっかりしていた。母も日々起伏がある。このところ、母をベッドに寝かせてから中学の歴史の参考書を読んで聞かせている。母はかつて中学の音楽と社会の教師だった。僕が帰ろうとすると母はもう2・3分いてくれないかと言う。そういうところがなんか切ない。
読みかけの円城塔「Self-Reference Engine」はやけに饒舌で確かにユーモアもあるのだが、どうもただ理屈をこねている思考実験のような印象が否めず、これでは全体がただのレトリックであり、最後まで読んでも結局何も得られないのではないかと思って途中放棄、ツイッターで勧められたカズオ・イシグロの短編集「夜想曲集」を読み始めている。これは読みやすいし面白い。だがあっという間に読み終わってしまいそうだ。というわけで、同じくツイッターで勧められたニック・ホーンビィ「アバウト・ア・ボーイ」も今日アマゾンで注文しておいた。
それにしても寒い。予報では明日の最高気温はなんと2度。今朝方布団の中でも寒かったし、そろそろ電気敷布の出番のようだ。ホントに山形の冬は光熱費がかかる。