カウントダウン

12月30日、水曜日。

今日も雪は降らなかった。いや、その方がいいんだけど。これを書いている今、日付は変わってもう31日だからどうやら雪かきをしないまま年を越しそうだ。しかし寒い。

何やら夢を見て二度寝三度寝して9時過ぎに起床。相変わらず何もする気になれず、年末だから混んでるだろうなと思いながら業務へ。何故か業務は絶好調、この冬分ぐらいの煙草は確保。4時に精神科の予約があるので、精神科の駐車場に車を停めて向かいの喫茶店でカプチーノを飲んで時間を潰す。この町で喫茶店に入るのも実に久しぶり。

精神科はほとんど待たずに診察。このところの不調を訴える。で、新しく薬をひとつ処方された。アミトリプチリン(トリプタノール)という人をおちょくっているような名前の抗うつ薬。三環系なので古いタイプの抗うつ薬である。僕は一通りの抗うつ薬は飲んだ経験があるがこれは初めて。SSRIとかSNRIとかリフレックスとか新しいタイプの抗うつ薬は全部経験しており、躁転して人間関係が壊れたり副作用や離脱症状で散々な目に遭っているので僕が頑なに嫌がっていることを知っている医者の苦肉の策だ。まあ正直言って僕は抗うつ薬というものにトラウマがあるし副作用が嫌だしあまり飲みたくはないのだけれど、このところ抑うつ状態が続いているのでしょうがない、ひとまず飲んでみるしかないだろう。微量だし。

スパゲッティの夕食後母のところに。母は特養に入ったのが早かったとこぼす。そう言われるととても辛い。かといって僕にはどうしようもない。

帰宅後の夜、珍しくNHKで時代劇のドラマを見てからアマゾンのプライムビデオでロン・ハワード監督「ビューティフル・マインド」の続きを見ていると固定電話が鳴った。9時半近いし間違い電話かもしくはいたずら電話ではないかと思ったが一応出てみると、町内の叔母(父の姉)からだった。叔母はもう88歳で、分かってはいるのだが話がくどくて参る。これでは一緒に暮らしているいとこも大変だろうなと思う。そこではたと気づくのは、そういう気持ちが先ほどまでの母を特養に入れていることが辛いという感情とどこか矛盾しているということだ。「老いる」ということはどういうことなのか考えそうになり、またさらに憂鬱になりそうなのでやめる。

で、「ビューティフル・マインド」を最後まで見終わったのだが、正直これが果たしてアカデミー賞の作品賞を取るほどの映画だろうかと思う。メインに描かれているのは統合失調症の幻覚であって、ジョン・ナッシュがノーベル賞を受賞するのがやけに唐突に思えてしまう。功績の部分があまり描かれていない。いずれにせよ、母と同じ病気を扱っている映画なので見ていて辛かった。

という具合に、今日は業務と医者に行ったぐらいであとはぼんやりしている間に過ぎた。もう今年も終わろうとしているが、どうやらこのままでは毎年書いている総括も書かずに終わりそうだ。そもそも、今年という一年は終始曖昧模糊としてぼんやりしているうちに過ぎたような気がする。回顧しようにも輪郭すら持たなかった一年という気が。

明日の日記を書くころには新しい年になっているだろう。よいお年を。

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