オーケストラ!

1月12日、火曜日。

久しぶりに映画を見て泣いてしまった。

確かに僕は涙もろい。テレビのドラマを見ていてよく泣いてしまったりする。しかしここ最近でいうと映画を見て泣くのは実に久しぶりだ。それもお涙頂戴のストーリーではなくて、コメディ映画で。

というわけでラデュ・ミヘイレアニュ監督「オーケストラ!」を見たのだが、まずヴァイオリニスト役のメラニー・ロランがあまりにも美人なのに驚いた。世の中にはこんなに綺麗な人がいるんだ、とびっくりするレベル。

この映画はかつて天才指揮者と呼ばれていたロシアの清掃員がパリのコンサートで成功を収めるという、ネタバレしても一向に構わないようなお定まりのサクセス・ストーリー。ある意味馬鹿げたコメディ映画である。最後の演奏会の場面、調子っぱずれで始まった演奏が見事な演奏に変わっていくというのも実に予想通りの展開。しかしこのラストのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、メラニー・ロラン演じるところのソリストのヴァイオリンがあまりにも素晴らしく、それにつられてオーケストラが見事な調和をかもしだすというのもまったく予想通りの展開なのだが、ヴァイオリンのソロが始まったあたりからじわじわと目が潤んできて途中から涙が止まらなくなってしまった。一体俺はなんで泣いているのだろうと自分でも不思議に思ったが涙が止まらないのである。それは恐らく、途中から息がぴったり合っていくオーケストラとヴァイオリンの演奏が圧巻であるからだろうと思う。

かつて高校時代にテニス部の悪友と二人で授業をさぼって見に行った「砂の器」を見てラストの演奏会のシーンでボロボロに泣いた覚えがあるのだが、「砂の器」の場合は演奏に回想シーンが重なってそれが泣かせる。つまり「砂の器」はお涙頂戴のいかにも泣かせるような造りになっていたのだが、「オーケストラ!」も確かに回想がかぶってはくるのだけれどどうもそれで自分が泣いているとは思えない。あまりにも見事な演奏に感動して泣いている、つまり純粋に音楽に感動して泣いているのだと思った。それもクラシックで。正直意外だった。なんつーか、チャイコフスキーにここまで感動したことはなかった。

見終わった後でアマゾンのレビューを見てみると、僕以外の人たちもどうやら泣いているようでちょっと安心。しかし、一応前述のように分析してはみたものの、いまだに自分が何故あんなにボロボロ泣いてしまったのか、よく分からないのだった。なんだか知らないけれど万感胸に迫るものがあった。この世の人とは思えないぐらいに綺麗な人があまりにも素晴らしい演奏をして、オーケストラもそれに呼応するという演出にまんまと乗せられたのだろうか。そうであるにせよ、映画を見終わって、なんか素晴らしい体験をしたような気分。

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今日の山形の最高気温はなんと2度、寒かった。もう少し北の方にある新庄では最高気温が氷点下だったらしい。そんなわけだから雪もちらついて夕方以降は結構な勢いで降ったりしていたが、何故か今年は積もらない。道路には雪がない。明日以降も冷えるらしいからもしかしたら積もるのかもしれないが……。

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