頓死

6月22日、水曜日。

瀕死(ひんし)と頓死(とんし)は字面が似ている。だが意味はちょっと違う。瀕死は死にそうだがまだ生きている。一方、頓死は急死を遂げている。

母のところから帰宅後の夜、夕飯を食べながらスカパーのオンデマンドでU-16のハンガリー戦を見ていた。ちなみに本日の夕飯は餃子。試合は前半で既に日本が3-0とリード、試合の大勢は決している。注目の久保(建英)くんのゴールこそなかったものの、日本強いなあと思いながら見ていた。夕飯も食べ終わり、テーブルの食器を片づけて後半、PKで1点返された。と、突然ノートPCが電源ごと落ちた。完璧に。

唖然とした。PCが落ちるのは大概が突然シャットダウンするのだが今回の場合は電源が落ちている。電源が繋がっていると点くインジケーターすらつかない。そもそも、AC電源が落ちてもバッテリーで駆動するのがノートPCである。一体何が起きたのか?

電源ボタンを押してもうんともすんとも言わない。ああこれは終わった、とうとうノートPCが頓死した、と思ったわけです。

もしかしてアカウントを乗っ取られて遠隔か、という疑惑も浮かんで書斎のデスクトップを見に行くと普通に動いていた。まあ当たり前だ。頭の中は突然のことでパニクっている。ああ新しいノートPCを買わなきゃ、ということで頭が一杯になって。

デスクトップがあればいいじゃん、という問題ではない。何故なら、ノートPCがないと台所や茶の間でテレビを見ながらツイッターのタイムラインを追ったり相場のチャートを見たり出来なくなる。いまどきの普通の人はそれらをスマホで済ませているのだろうが、僕の場合はフリック入力が面倒だしスマホの小さい画面の慣れがない。物足りない。ちゃんとしたディスプレイとキーボードがないと物凄く不便だ。

ああ新しいの買わなきゃ、しかし注文してどれぐらいで届くんだ、などと頭の中でぐるぐると考えながら台所に戻る。と、ふと見るとさっきまで消えていたノートPCの電源のインジケーターが点灯している。おや? というわけで電源ボタンを押すと、あーら不思議、立ち上がって復活した。OSが立ち上がるまでの動作がかなり重く、やはりなんらかのアクシデントがあったことを思わせる。重いながらもなんとかブラウザのFirefoxも無事立ち上がった。すると、さっきの完全なる沈黙は一体なんだったんだろうか?

とにもかくにもノートPCが復活してほっとする。U-16の試合の続きを書斎のデスクトップで見る。試合は4-1で日本がハンガリーを破った。で、今度はJリーグの浦和対東京の試合に切り替える。すると、この辺からにわかに体調が悪くなってきた。何がどう、ということを表現するのは難しいがなんか明らかに調子悪い。気分が悪いというかなんというか、とにかく具合が悪くなった。それでソファで横になった。あんまり具合が悪いので、もしかしたらこのまま死んでしまうのではという妄想が膨らむ。つまり、気がつくと僕は瀕死の状態みたいになっていた。

0-2の試合を浦和が3点取ってひっくり返すのを、ソファで横になって音だけで聞いていた。なんだか寒気までする。今日は日中冷房を入れたぐらいで寒いわけがない。横になって寝ていても辛いだけ。なんとか起き上がって台所に行き、熱を計ってみる。36.2分だから熱はないがいつもよりちょっと高く、微熱になるんだろうか。もしかしたら風邪をひいたのかもしれない。胃がむかつくというかお腹がとにかく気持ち悪いので、普通なら朝食後に飲む薬だが胃酸を強力に抑えるネキシウムを飲んだ。こういうときとか胃潰瘍になりそうになったときのために精神科からネキシウムを処方してもらったのを貯め込んでいる。

ネキシウムを飲んで少し経つとようやく人心地ついてきた。それでもまだどこか重いというか覚束ないというか、風邪っぽい。起きているのがしんどい。なので、風呂には入らずシャワーだけで済ませた。

とまあ、そんなわけで今日は非常に調子がよろしくない。

今朝はどういう拍子か8時22分に起きた。だがやっぱり眠くて業務から帰宅後の午後、昼寝。夕方は精神科。相場は朝食後の一発目で損切りを食らって、なんとかそれを力技で取返し、あとはちびちびと様子見。明日はブレグジットの日なので、明日から明後日の午後までは相場に手を出さないつもり。なので、明日の日中免許の更新に行こうと思う。まあ体調がなんともなければだが……。

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