怪談

12月29日、日曜日。

三度寝ぐらいして9時29分起床。今日から暖パン着用。考えてみると遅すぎたくらいだ。今日はここまでのところ彼女とは平穏無事なやりとりに終始。日中は買い物、母と面会、精神科。まず買い物だが、隣町の業務スーパーに行ったついでに、並びのマックハウスで暖パンをもう1本買おうと思ったが驚いたことに置いてなかった。ちなみに去年は2本買ったのだが1本お尻が破れてしまったのだった。一旦帰宅後、彼女からLINEでユニクロにあると聞いてまずオンラインショップで調べると確かにあった。注文してもいいのだが一応サイズは確認した方がいいと思って、隣町のユニクロに向かった。

というわけで買いに行ったのは正解だった。事前に電話して、帰る道すがら母と面会室で30分ばかりの面会。帰宅後、4時15分前に精神科に連絡して何時ごろに行けばいいのか訊ねると4時半に来てくれということだった。4時半に行くと、それほど待たずに診察に呼ばれた。このところの習いで、というか他に話すことがないので彼女との話に終始。医者の見解としては、もしかしたら彼女(の病状)はよくなるのではないか、ということだった。診察を終えて隣の処方薬局に行くころには日が落ちてすっかり暗くなっていた。入るときに、薬局の前で誰かが煙草を吸っているなと思った。のちにこれがとんでもないことに。

いつもの習いで薬を待つ間に外に出て煙草を一服していると、後ろの暗がりからいきなり「失礼ですが」と女の声がして驚いた。振り返ると、さっき見た壁際で煙草を吸っていた人物は30代ぐらいの眼鏡をかけた太った女だった。女は矢継ぎ早に「**病院に通院してるんですか?」「いつも日曜日なんですか?」果ては「結婚してるんですか?」などと訊いてくる。自分と同じ精神科の患者であるが、明らかに様子が変だ。もしかしたらこれはある種のナンパなのか、などと思いつつも気味が悪くて適当に返事をしてその場をごまかす。煙草を吸い終わって薬局の中に戻ると、さっきの女がカウンターで薬局の電話を借りて何やら電話していた。バスがないので迎えに来て欲しいとかなんとか。自分の名前が呼ばれたのでカウンターで薬を受け取ったのだが、薬代が250円と聞いて腰が抜けるほど驚いた。いつも1000円以上で、漢方薬を出してもらっていたときは2000円とかだったのに。まったくもって気味が悪いが領収書にも確かに250円とあるので、ここはただ単に得をしたのだと思うことにする。

もっと驚いたのは薬を受け取って薬局を出たときだった。出口の前でさっきの太った女が待ち構えていたのである。で、また「失礼ですが」と声をかけてくる。もうこなるとホラー以外の何物でもない。女は、バスがなくなってしまったのでお金を払うから隣のH市まで乗せて行って欲しいという。ぞわーっと背筋が寒くなった。バスがない云々はさっき電話に向かってそう言っていたから知っているが、迎えに来て欲しいと言っていたではないか。とにかく恐怖のあまりしどろもどろになりながら、「僕にも事情があるのですみません」と訳の分からない言い訳をしてそそくさとその場を離れた。ホントに怖かった。駐車場の車までついて来られたらどうしようとマジでビビった。幸い女はそこまでついては来ず、這う這うの体で車を発車して帰ったが、恐怖体験以外の何物でもなかった。女は明らかに精神を患っており、おかしかった。変だった。帰宅後書斎で冷めた珈琲を飲みながら煙草を一服して、今年はまさに女難の年なんだなと思った。で、思い返すと女は僕と同じ主治医だと言っていたのでもしかすると次回とかまた出くわす可能性がある。それは怖い。怖すぎる。僕の主治医は日曜日と水曜日に診察しているので、次回の診察を水曜日に変えてもらおうかと真剣に悩む。それにしても、なんでこんな目に遭わなければならないのか?

と、ここまで書いて自立支援の記入欄を確かめてみると、なんで薬代が250円なのか分かった。前回の診察も12月だったので、自立支援で月額の上限が2500円と決まっているからだった。分かってみるとなんてことない。

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