10月25日、金曜日。
10時10分起床。長い夢を見たと思ったが、実はシームレスに3つぐらいの夢を見たんだと思う。
毎日面会しているのに、病室に入ると母があまりにも痩せているので驚く。腕は本当に骨と皮だけになっていて、これで手が動くということが不思議に思える。母はいまだに言葉を喋ることは出来ない。今日は俺の手のひらに母が指で文字を書こうとして、それが「キ」という字に思えたので、「キってなに?」と訊ねたのだが、どうやらキではなかったようだ。母はかろうじてうなずくことは出来るが、逆に首を振って否定することまでは難しそうなので、意図を汲み取るのが難しい。痰が詰まっているかどうかもなかなか判断が難しいが、呼吸に変な音が混じっているときは大体詰まっているときなので、看護師を呼んで吸引してもらう。看護師の話によると、午前午後夜中それぞれ2回ずつ吸引しているのだということだった。早朝が詰まりやすいのだという。
こうして日々ただ母が死にゆくのを待つばかり。この心境は若い人には理解出来ないだろう。
今日はプラグインをひとつ買ったが、結局はそれも現実逃避だ。