最後の診察

目覚ましを8時半にかけておいたのだが、その前に目が覚めた。昨夜は最近には珍しく寝付きが悪かったのだが。不思議なものである。

そんなわけで10時過ぎに病院に到着。予約は11時だが早めに受付を済ませて待っていると、結局11時近くまで待たされた。今日でこの、帝京大学病院での診察は最後、先日のCT検査の結果も異常なく、招待状とこれまでのCTの写真をコピーしたCD-ROMを受け取った。ぼそぼそと喋るS本先生には本当にお世話になった。ありがとうございました、と診察室を出る前に深々とお辞儀をして礼を述べて辞した。

今日はもうひとつ、歯医者の最後の診察もあるが、3時半の予約なので一旦南浦和に戻る。例のダッチ・コーヒーが美味しい喫茶店でサンドウィッチの昼食。今日ももちろんダッチ・コーヒーを頼む。先日あまりにも美味しいと思ったので、いささか懐疑的になりながらひとくち飲んでみると思ったほどではなく、あれは勘違いだったのかと思うが、二口目から素晴らしく美味しく思える。改めて、コーヒーは水出しが一番美味いのかなと思う。

3時半に隣の武蔵浦和の歯医者へ。呼ばれたのは4時近くなってからだった。今日が最後なので、治療というよりも歯の掃除をして終わった。こちらの若い先生にも長いことお世話になった。特に、最後の方はスケジュール的に無理を言ってやってもらったので本当に感謝している。出来ればこの先生にずっと治してもらいたかったのだが。

歯医者を出ると、サイゼリヤでカプチーノを飲みながら母親に電話してみた。すると、今日もどうもおかしい。話がまったく続かない。様子を聞いてもまったく要領を得ない。まだ叔父がいるというので電話を代わってもらった。叔父の話によると、これでも昨日よりは状態がいいそうだが、昨夜泊まってくれた叔父の話によると母は夜、ほとんど寝ていないらしい。一昨日泊まった弟も同じことを言っていた。深夜1時過ぎに目を覚まして、ずっとぶつぶつと独り言を呟いて起きているそうだ。叔父は今晩も泊まってくれるそうである。僕には今のところ、なす術がない。来週帰るまで、叔父や叔母に迷惑をかけるしかなさそうだ。今の僕の願いはただひとつ、母が元通りに元気になってくれること、それしかない。他には何もいらない。母の精神状態が普通になってくれればそれでいい。それだけが僕の望みだ。

夜はなんとか気を静めようとひたすらジャズを聴いて過ごす。田舎に帰るまでの残り3日間、どうやって過ごそうか。

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