世の中は節分だったらしい今日(3日)、業務もほどほどに収め、母も昨日とそれほど変わりなく、特にどうということはなくいつもの通りに一日が終わるかと思われた。
ところが、夕食後に病院から電話がかかってきた。すると、4時過ぎに僕が病院を後にした数分後に、母がベッドを抜け出して病室の隅で倒れていたという。これにはさすがに僕も蒼ざめた。そもそもベッドには柵がついており、いくら回復傾向にあるといっても母にはまだ柵を乗り越えるほどの体力はない。一体何があったのか。聞いてみると、今のベッドは足下に人ひとり座れる分ぐらいの隙間があり、そこから出たのではないかということ。以前の病院のベッドの柵はベッド全体に渡っていたので意外だった。それにしても、母が隙間のある足下まで移動してまでベッドを抜け出したというのはなんとも奇妙な話だ。何故ベッドを出たのか、何をしようとしたのか看護師が訊いても答えなかったという。倒れたといってもバタンと頭を打つように倒れたわけではなさそうで、背中に擦り傷があっただけというが、心配なのでCTを撮った方がいいのではないかと僕は言ったのだが、医師はその必要はないという判断だということで、電話が来たときも今ご飯を食べているところだと言う。しかし、まったく腑に落ちないというか、奇妙な話である。これまでただの一度も母が独力でベッドを抜け出す、あるいは抜け出そうとしたことなどなかった。一体母に何があったのか。そして、母は大丈夫なのだろうか。
今日も母は口数は少ないものの表情は悪くなく、僕はリハビリに付き合った。僕がいる間も母は必要最小限しか喋らず、ノートに名前を書く練習をさせて僕は病院を後にしたのだった。いつもと異なる行動を突然取ったということは、統合失調症の症状が出たのだろうか。どうにも考え始めると心配になるばかりで鬱屈してしまいそうだったので、ソファで毛布を被って寝てしまうことにした。すると、目が覚めたのは10時過ぎ、3時間以上寝てしまった。
日付が変わって今日(4日)は父の命日だ。病院の帰りに花屋に寄って、仏壇の花を取り換えた。明日は弟が来るし、病院の地域医療室と母の今後について相談する予定になっている。今年は雪も少ないので、墓参りも出来るだろう。一周忌は寺と相談して、雪の消える4月にすることになっている。
それにしても母が心配だ。考え始めると切りがない。ひとまず、頭を打っていなければいいのだが。