選択

数日前から膝に来ているので、さっき風呂に入る前に階段を10往復したら息が上がって完全にへばった。今は膝が笑ってがくがく。まったく情けないことこの上ない。フルマラソン走ってる同級生もいるというのに。確かに昨年田舎に戻ってから学生時代の体重に戻ったのだが、筋肉まで落ちては。一昨年の悪性リンパ腫の闘病以来、極端に体力が落ちている。ま、体力がつくことを何もやっていないので当然と言えば当然なのだが。

年末に検察の待合室みたいなところ(なんていうのか忘れた)の独房で、トイレの上げ蓋(分厚い板)で思い切り挟んで死んでいる右足の親指の爪がほとんどはがれかけている。怖い。足の親指の爪って結構大きいので、それが丸ごとはがれかけてるのって見た目のインパクト凄い。下に新しい爪が生えかけていて、それではがれているのだけれど。写真載せたいくらいなのだがグロテスクなので止めておく。そのうちなんかに引っかけた拍子にぼろっと取れるだろう。そういえば左足の親指の爪も何かにぶつけたかなんかで半分はがれたのだが、STAP細胞じゃないけど今ではすっかり生え変わっている。人間の再生機能も馬鹿にしたものではないが、その割には子供のころの火傷の跡とかがそのままなのは何故だろう。

弟は昼前に仙台からやって来た。昼は僕がスパゲッティを作った。それから二人で役場に向かった。その前からストレスが物凄くて気分が悪くなっていたので、レキソタンを1mg飲んでおいた。

健康福祉課との話を事細かには書かない。ただ話の流れとして、一旦は強制執行という話を差し戻して、再度事実確認をするという経過ではあったが、結果的にはこちらの同意を得て決めるという具合に軟化した、つまりことの推移としては悪い結果ではないのだけれど、結局は普通なら何年も待たないと入れない特別養護老人ホームに母を入れるためには老人虐待防止条例を使わざるを得ず、それはつまり僕が虐待したことになるという、僕にとってはある種究極の選択を迫られたようなものだ。アメリカで言う司法取引のようなものである。結論は僕ら兄弟が話し合って決めるという、いわばこちらに選択権はあるのだが、実際は選択の余地はない。話し合いの後施設を見学に行ったが、うちから徒歩5・6分で施設も新しく居室も広く、明らかに他の施設や病院と比べるとここに入れる方がいいのだ。それを断っても現在申し込んでいる施設と病院からはいまだに連絡が来ず、そもそも来たとしても喜んで移すような環境でもない。かといって今の病院に延々といられるわけでもなく、このままではにっちもさっちも行かなくなってしまう。だからこれはどう考えても断れない。結局のところ、問題は母の方ではなくて僕の問題になってしまっている。形だけにしろ、僕が虐待したということになってしまうことを受け入れるかどうかという。一応、弟の要請で虐待云々の表現を事実としてではなく書き方を考慮するという譲歩を向こうも見せてはいるのだが。

弟と母の病院に寄ると、今日の母は見るからにダメな目をしていた。最後まで悲しそうな顔をしていた。健康福祉課の人間は母が施設に行きたがっていると言ったが、今日訊いてみると行きたくないと言う。

まあそんなことで気が滅入るというか、母のためには選択の余地はないのだが気分的には八方塞がり。夜もレキソタンを1mg飲む。

だがたぶん、僕がプライドを捨てれば母にとってこれは悪い話ではない。もう方針は既に決まっている。あとは僕が自分の気持ちをどう抑え込むかということだけ。意外と構造は単純明快なのだと思う。

でもなんかやりきれない気持ち。


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