設定温度

月曜日。休日(体育の日)。

2時過ぎに寝て(今回は覚えていた)何故か7時に起きてしまった。たぶん夢のせいだと思う。どういう夢かは忘れたが、起きなければならないと思うような夢を見たんだと思う。当然睡眠は少々足りないのだが思ったほど眠くはなかった。ある程度予想できたことだが、台風が近づいているので朝からどんよりと曇っている。寒い。これは寝ておいた方がよさそうだと思い、半ば義務感のようなものを覚えてソファで毛布を被る。その上からさらにタオルケットまでかけたのだがそれでも寒かった。2時間ほど寝たが終始寒いという夢を見た。今日は日本もアメリカも休日、なので相場は控えることにする。となるとすることが思いつかない。業務に行くことも考えてみたが今にも降りそうな天気、これからさらにどんどんと天候は悪化する一方だから行く気がしない。どうしようかなあと思っているうちに昼になり、例によってサンドイッチを作って昼食。

当然のことながら午後になっても一向に暖かくならず、寒くてしょうがない。午前中から書斎の暖房を入れていたのだが、そのうちとうとう設定温度を1度上げてしまった。その上で毛布を膝に掛ける。我ながらなんでこんなに寒がりなのかよく分からない。とにかく寒いものは寒い。

結局午後は昨日読み直して気になった短編「リッスン」を少々直した。主人公があまりに煙草を吸い過ぎるので吸い過ぎ感を軽減させただけだけれど。ついでにこれまで小説のページをnovelsとしていたのだが”novel”というのは基本的に長編小説のことなのでstoriesに変更。

それから丸谷才一「女ざかり」読了。もちろん毛布にくるまって。

非常によく出来た面白い小説なのだけれど、最後は少し蛇足っぽくなって少々残念。しかしながら丸谷の小説というのは薀蓄や理屈が満載なのにも関わらずそれがディレッタントとしての嫌味にならず、知的好奇心をくすぐりながら軽妙にストーリーが進むのは相変わらず見事だ。読みながらなんでこの人はこんなにいろんなことを知っているのだろうと不思議に思う。いやたぶん、僕が知らなさ過ぎるだけなのかもしれない。実際、夜になって久々に小説でもまた書いてみようかとアイディアを考えたのだけれど、我ながら唖然とするほど世間知らずであり物事を知らなさ過ぎるのである。以前だったらその辺を妄想力で強引にカバーしていたのだけれど、どうもそこまでの妄想力というか、想像のパワーが今はない。例えば仕事ひとつとってもそうで、自分が経験したことのある仕事以外に関してはほとんど何も知らない。僕の両親は教師だったが、教師の一日のスケジュールというものがさっぱり分かっていないことに気づく。これでは満足に小説など書けなくて当然で、書く気も失せる。まあその気になれば今の世の中、ググれば大概のことが分かるのでやる気次第なのだろうけど。しかし、現代を舞台に書こうと思うともはや携帯でも時代遅れでスマホでLINEとかを出さなければならず、そうなると「彼はそこでスマホを取り出した」とかではとても文学としてサマにならないのである。チャットやメールでのやりとりでは温度がない。いろいろとやりにくい時代になったなあと思う。書くのであれば「スマートフォン」と表現するしかなく、それにしても10年も経てばどうなっているものやら分からない。ましてやiPhoneというような固有名詞はさらにあっという間に時代遅れになってしまう可能性がある。

というようなことを気にし始めると小説など書けない。考えてみれば最近の若い人の小説というものを久しく読んでいない。綿谷りさの「インストール」以来か。「インストール」もネットでのコミュニケーションを表層的にしか描いていないなと思った記憶があるし。今の若い作家は時代をどうリアルに表現しているのだろうか。結局のところ、僕がただの時代遅れのおっさんになってしまったと言ってしまえばそれだけの話。

台風が近づくに連れて、夕方から雨が本降り。いまだに降り続いている。予報では明日の昼には台風が通過するようなので、それまでは延々と降り続けるのだろう。さながら今日は雨と寒さに閉じ込められたような気分。夕食後母のところに行こうとすると、いまだに玄関の鍵を開けていなかった。母は相変わらず落ち着いていて普通に見える。

帰宅すると、U-19アジア選手権で勝たなければ予選敗退のU-19日本代表がよりによって韓国が相手、これは厳しいだろうなあと思っていたのだが南野の2ゴールで2-1で勝っていた。嬉しい誤算。結果1位通過。次勝てばU-20W杯の出場(4大会ぶり)が決まる。しかし韓国が予選敗退するとは。

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