ポルターガイスト、寒い八月、鳩の撃退法

8月25日、火曜日。曇り。

今日は涼しいを通り越して寒かった。Tシャツの上にシャツを羽織ってもまだ寒くて、夜はヨットパーカーを羽織る。まだ8月なのになんでこんなに寒いのだろう。

一旦昨夜にさかのぼる。昨夜2時ごろに二階の自室で床に就く。この界隈は夜中はとても静かだ。あまりにも静かな故に、夜中にときおり奇妙な音が聞こえる。昨夜は寝床に入って本を読み始めたところ、窓がガタガタと音を立てる。最初は地震かと思ってツイッターのTLを見たが、そうではなさそうだった。また窓がガタガタと鳴る。正直気味が悪い。一体何だろうと思った。窓がびびり、僕もびびる。あまり気になるので、台風が近づいている(まだ西日本の話だが)ので風の音だろうかと起き上がって窓を開けてみる。だが風はなさそうだ。また床に入るとまた窓が鳴る。またびびる。もう一度起き上がって窓を開けてみる。何度やっても同じだ。もしかして先日見たタヌキの子供は実はハクビシンで、屋根の上を走り回って窓をびりつかせているのだろうかとか、ありえないことまで考える。また窓が鳴る。風はないと思うのだが風の音だと思う。風がないのに風の音がする。ちょっと怖い。まるでポルターガイストだ。怖くて2錠目の睡眠薬がなかなか飲めない。もしかしたら地震の前触れの音ではないかとかが気になって。そんなわけで窓のびりつく音にびびって寝たのは3時過ぎだった。

朝、8時ごろにトイレに目が覚める。戻って二度寝すると夢を見た。もう2年以上連絡が取れないI泉さんから電話がかかってくる夢だった。二度寝から目が覚めるともう10時だった。

昼前から相場のポジションを取り始め、今日は一日かけてストップを食らう→なんとか取り戻すの繰り返しだった。結局夜までかけて微損。

午後、一旦手持ちのポジションを決済したところで、そろそろ薬が切れそうなので皮膚科に行った。前回やたらと混んでいて待たされたのである程度は覚悟していたが、今日は思ったほどではなかった。皮膚科の待合室は相変わらず幼児が嬌声を上げて落ち着かないことこの上なく、読書にも身が入らない。結局診察に呼ばれたのは小一時間ほど待ってからだろうか。引き続き薬を処方してもらい、ついでに前々から気になっていた太ももに出来たイボのようなもの(皮膚腫瘍というらしい)を見てもらい、次回簡単な手術で取ってもらうことにした。

それにしても外は寒い。夕方母のところに行くころには身体が冷えて、特に足が冷えて参った。母のところから帰宅後は秋刀魚を焼いて夕飯、その後は前述のように相場でストップを食らい、必死に取り戻すということをやっているうちに夜が更けた。

そんなわけで佐藤正午「鳩の撃退法」読了。

というように、実に巧緻に伏線が張り巡らされ、途轍もなく入り組んだ話を収束させる手際は見事だった。ただ、自分の記憶力がそれについていけなかった。メタフィクショナルな手法も織り交ぜて虚実が交錯するような語り口も巧妙だった。軽妙な語り口と少々軽薄な嫌いもある主人公には好みが分かれるところだろうけど、一気に読んでしまえばたぶんかなりのカタルシスが得られると思う。何しろ僕の記憶力があまりにもなさすぎるのだ。寝る前に寝床でちょっとずつ読むという読み方のせいもあるだろうけど。これだけ伏線を張り巡らせて時間軸も交錯する複雑な構造の話を、すらすらと読ませる読みやすさは素晴らしいと思う。佐藤正午を読むと、また自分でも小説を書いてみようかなという気になる。気になるだけで一向に実行に移せないところがなんなのだが。

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