平日とは何か

5月9日、月曜日。

何の加減か、8時前に起きてしまった。しまったというかもちろん9時過ぎ、10時過ぎまで寝るよりはいいのだけれども、なにぶん近ごろはずっと起きるのが遅かったものだからまずは睡眠不足が気になる。それでは昨夜何時に寝たかというと、たぶん2時前だと思うのだけれどあまり自信がない。というのも、最近ずっと入眠時の記憶がない。なので寝つきがいいのかそれとも単に記憶を失っているのかが判別できない。寝酒を少々飲んだ上に睡眠薬を飲んでいるので、後者である可能性はある。ともかく、おおよそ2時ぐらいに寝て、目が覚めると7時55分だった。

時間を確認した瞬間に瞬時に損得勘定をしたというか、あ、まだ8時前だ二度寝しようという気持ちとそういえば今日は平日だから今起きれば東京株式市場の寄り付きに間に合うという気持ちが交錯して、数秒の逡巡のうちに起きることを選択したわけ。つまりは、もし眠かったら後で昼寝すればいいんだしとりあえず今起きた方が得、という結論を出した。

で、実際問題として果たして得だったかどうかはよく分からないんだけれども、とにもかくにもあのときにもし二度寝していたら何時に起きたかは分からないわけで。いずれにせよ、起きた瞬間に今日は平日だと気づいたというか思ったことは確かだ。そもそもゴールデンウィークなんてものは僕にはほとんどまったくと言っていいほど関係ないわけで。そんなわけだからただの週明けという意識。

朝食後、寄り付きで相場のポジションを取るも即利食い。その後少し様子見。で、じれったくなって結局今日も業務に行ってしまった。相場は午後になってみないと分からんと思ったので。まあ実際そうだったのだけれど、業務の方は今日もツキがなくつまらんの一言。しらけて午後早々に帰ってくる。

帰宅後また相場のポジションを取るがスキャルピングという意識が強くて即利食いをしてしまう。そんな具合に今日は夕方までちびちびと利食いして40ピップスぐらいのプラスにはなった。結果的には今日はドル円がよく分からんけど午後はひたすら上がり続けたのでいささか消極的だったかもしれない。なんていうか、週明けはやられるケースが多いのでちょっと警戒しすぎたかも。しかしながらたかだか40ピップス程度でも毎日確実に取れるのならストレスもないしそれでもいいっちゃいいのだが。よくないと言えばよくない。つまり、リスクを取れなくなってしまうし敢えて相場をやっている意味が。とは思うものの、どうにも本日は気合いが入らず夜はひたすら様子見に徹する。

なんだかんだ言って結局午後の3時ごろに30分ほど昼寝を試みた。たぶんうとうとしたんだと思う。いずれにしてもその程度で、本格的に昼寝をしたわけではない。それから顔を洗って母のところに行った。今日の母は何かと覚束なかった。明日は母の誕生日なので、明日でいくつになる、と訊ねると72歳と言ってみたり(本当は84歳である)、それからちょっとすると今度は59歳と言ったりする。母本人もそういう自分の覚束なさに今日は参っているようで、ときどきベッドから身を起こすと放心したように途方に暮れる様子だった。正直言ってそういう母を見るのは辛い。可哀想でならない。しかし僕がずぶずぶと感情的になって参ってしまってもどうにもならないので、僕は平静を装い、平気な振りをするしかない。落ち込もうと思えばどこまでも落ち込めるのだけれど、そうならないように持ちこたえることができているのは、最近飲んでいる抗うつ薬のノリトレンの効果だろうか。それとも僕が単にこういう状況に慣れてきたということだろうか。

母のところの帰りにスーパーに寄ると、案の定母の日用の鉢植えが半額になっていた。というわけで母の誕生日用に鉢植えとプリンを買った。結局のところ、プレゼントといってもそんなものしか思いつかなかった。前述のように母にあまりにも感情移入してしまうと果てしなく気が滅入って落ち込んでしまうので、どこかで距離を置いてセーブしている自分がいる。どれだけ贅を尽くして豪勢なプレゼントをしたところで、母が本当に満足するかどうかは分からない。今日の様子を見るとあまり誕生日ということをおめでたいとも思っていないようだったので、おめでたさを押し付けてもしょうがない。だからこの程度でもいいのかな、と。

それはともかくとして、今は午前0時を回ったところだが、風呂上がりに浴衣に丹前を羽織っていると暑い。なんてこった。確かに日中は暑かったが、もう夜まで暑いだのへったくれだのという季節になったのか。

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