増殖

今朝も目覚めたときはすっきりしなかったが、昨日ほどではなかった。一日中部屋に篭るのは気が滅入るので、雨の土曜日なのに業務に出勤。それはいいのだが、業務中になんとなく首の腫瘍を触ってみて、あれ、と思った。腫瘍がひとつ増えている。これまで首の付け根から鎖骨にかけて、大きな腫瘍が2つくっついて1列に並んでいたのだが(その上に恐らく小さな腫瘍がひとつくっついてる)、それらの喉側に大きな腫瘍が。まさかと思って左側の喉を触って確認してみると、案の定そんなところには何もない。これにはさすがに動揺した。ちょっと怖いとすら思った。いずれにしても気が滅入ることこの上ない。そんなわけで1時過ぎに憂鬱な顔をして業務を終えて帰宅。今日は中の下ぐらいの風俗嬢並みの時給を得られた。

帰宅して、事態がよろしくない方向に進んでいるのは明らかなので、抑うつ状態じゃなくても気が滅入り、ふさぎ込みそうになる。なので、頓服を飲んで寝てみるが、夢も見ないで2時間後には目が覚めた。が、虚脱状態。何もする気力が湧かないし、何をしたらいいのかも分からない。本音を言えば病院に行く月曜まで眠り続けたいぐらいだ。母親と電話で話してみるが、いつものようにコミュニケーションがかみ合わない。いつの間にかいらいらしてしまう。夕食後、いずれにしても検査入院は避けられないだろうということで、最低限I泉さんに電話したい、出来ればネットが出来て日記を更新できるようにしたい、と思い、たぶん受け付け時間ぎりぎりと思われるが、降りしきる雨の中、駅前のソフトバンクに向かった。要するにiPhoneに切り替え(I泉さんがそう)、出来ればiPadも欲しいところ。歩きながら代表番号に電話をしたら、営業時間中だというのに全然出ない。延々と呼び出し音が鳴るばかり。そのうち自動音声が、おかけになった電話は繋がりませんでした、と無慈悲に語る。で、駅前のソフトバンクに辿り着くと普通に営業している。が、購入の受付は終了しました、とあり、おまけに待っている人数が7人。ひとまずぼうっと立っている若い社員に、なんで電話に出ないのか訊いてみた。電話番号を見せて間違ってないか確認したら合っていた。そいつが言うには、忙しいときには出れないことも……などと言うので、唖然、これまで長いこと生きてきたがこんな会社は初めてだ。いまどき留守電すら付けてないとは、一体どういう了見なのだろう。これが孫某が経営する会社なのか? もう笑うしかない。

呆れて店を出たはいいものの、せっかく駅前に来たのにどうしたらいいのか分からなくなってしまった。仕方ないので本屋に寄る。こういうときも、入院したときのために読む本を、ということが頭にある。結局文庫本を一冊買い、なんとなくドトールに入り、抹茶ラテを飲んだ。虚しい。俺は一体何をしているのだろう、と思う。永遠に虚しく抹茶ラテを飲んでいるわけにもいかないので、しょんぼりと帰る。帰宅して、またどうしたらいいか分からない状態に戻る。お手上げだ。ソファに寝転がって、こういう場合電話出来そうな人間は誰だろうと携帯の電話帳を見る。本当はI泉さんに電話したいのだが、今月2度長電話をしたら電話料金が1万円になっていたので無理。ひとまず、元EMIのノムラさんに電話してみる。何故なら、僕がいたキララシャのユカリが癌になったとノムラさんに以前聞いたからだ。留守電だった。次にかけてみたのはヤマザキ。時間的に仕事中だろうな、と思ったらやっぱり留守電。ヨウタロウはこの手の場合に電話する相手にはまったく適していないので除外、もう電話する相手に煮詰まる。なんとなく、もう何年も電話してないが、昔会社の同僚だったナカノに電話してみる。僕は昔彼女のことが好きだった。やっぱり留守電。なんか、あらゆるものに見放されたような気分になる。PCの椅子に座って放心していると携帯が鳴ったのでびっくりした。見ると、ナカノからだった。それから僕らは長いこと話し、結果的に僕は随分と気が楽になった。なんていうか、少し得したような気すらした。かように、人間というものは案外と単純に出来ている。

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