朝外に出た瞬間にもわっとしたのでそんな気はしてたんだが、案の定、また急に暑くなった。業務を早めに切り上げ、隣駅のホームで節電のため間隔があいた電車を待っている間、汗かきではない僕の額に汗が浮かぶ。駅からの帰り道、あまりの暑さに思考停止状態。帰宅後、今日も何も出来ず。とりあえず冷房が効くのを待って、先年早逝したスウェーデンのピアニスト、Esbjorn Svensson率いるEsbjorn Svensson Trio、略してe.s.t.を聴きながらソファでタオルケットを被って死亡。夢の中で夢を見る。入れ子構造の夢。夢の中で見た夢はいかに欲望を具現化するか葛藤するというもので、あらゆる欲望から遠く離れた場所にいるように思える現状でも、奥底には残滓があるのだな、と思う。何も出来ないが、延々とソファで死亡しているわけにもいかず、なんとなく部屋の片隅を片付けてみる。すると、カバンの中からパスポートが出てきた。有効期限の2013年っていつだ? 今何年? などと思いながら中を見ると、最後にH比谷とアメリカに仕事で行ったのが8年前、出国が10月19日で帰国が10月24日とある。すると、ボルチモア→ワシントンD.C.→NYC→LAという強行スケジュールで、ボルチモア郊外での携帯最大手のベライゾンとの打ち合わせという仕事自体は徒労に終わったものの、夜のワシントンD.C.で車をレッカーされて行く先も分からぬバスに乗り、夜の街を彷徨い歩き、NYCではPhilippe Saisseと久しぶりに会って打ち合わせ、夜はBirdlandでDave Liebman Groupのライブを見て、LAでは何もすることがなく一日ホテルで呆けていたというのが正味たったの4日間だったということに唖然とする。僕が時間の感覚を失ってからたぶん2・3年経つと思うんだけれど(何しろ時間の感覚がないから定かでない)、こうしてみると随分と濃い4日間だった。
明日の朝のコーヒーが一杯分の豆しかないので、夜、嫌々ながら駅前のスタバまで行く。外はまだ暑気が残っているが、たぶん冷房病の僕には暑いのかそうじゃないのか正確には分からない。風呂上りに食べるトマトがそういえば切れてたなと思い、ついでにスーパーでトマトを買う。
どうでもいいのだが毎日前を通る近所の分譲マンションの玄関脇に、子供が遊ぶための小さなスペースがあって、そこに公園によくあるスプリング式の動物の乗り物が2つあるのだが、僕が気に入らないのはそれがジャイアント・パンダとコアラというところだ。どちらも希少種だし、第一ジャイアント・パンダとコアラの大きさが同じ、ってのは間違った認識を植えつけるのではないかと思う。教育上よろしくないような気が。作った人間は恐らく、「かわいい」→「乗る」という発想なのだろうが、その認識自体がずれてると思う。