Enigma

8月21日、火曜日。

残暑というよりはむしろ、完全に夏が舞い戻ってきた感じの暑さ。山形で35度、この辺で34度。台所の室温は33度。

なんだかよく分からないままちょうど8時間寝て11時16分起床。で、洗面所に顔を洗いにいくと、やっぱりコウモリの死体はそこにあった。この、まだコウモリの死体があるということが不思議なのか、それともその逆に当たり前なのか、僕にはよく分からなくなってしまった。そもそもがそこにあるはずのないものがあるのだから。

日中はあまりの暑さにへばる。冷房のある書斎でまた昼寝をしてしまった。8時間寝ているというのに。暗くなってからにしようと思っていたのだが我慢できずに、いや、逆かな、とにかく早く抹消してしまいたくて恐る恐るちりとりを使ってコウモリの死体を向かいの寺に捨てた。それにしてもコウモリの死体がなんでこんなに怖いのか。いや、たぶんそれは特にコウモリじゃなくても突然家の中に死体があったらそれは怖いだろう、普通に。安部公房の「無関係な死」みたいに。結局のところ、今回のコウモリ事件、それが何を意味するのかまったく分からないところが怖かった。本当にどこか違う時空間からタイムスリップしてきたんじゃないかと。始めっから死んでいたというところがことさらに気持ち悪い。生きているのであれば一体どこから入ったんだという疑問がひとつで済む。しかしそれが始めから死んでいたとなると……。

京極夏彦の書くところの京極堂の決まり文句は「不思議なことなどないのだよ」だが、不思議なことはあるのだ。確かに。

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