そういえば髪のことについて書くのを忘れていたけれど、前回の抗がん剤治療の前ぐらいから、どうやら抜けるものは全部抜けたらしく、脱毛はほぼ止まった。眉毛が抜けなかったのはよかったんだけど、中途半端に申し訳程度の髪が残り、見苦しいことこの上ない。なので、昨夜シャワーを浴びた後に自分でハサミで切ってみた。が、別にそれで若返ったとかそんなことはない。
今朝は奇跡的に8時に目が覚めた。朝食後に業務に向かう道すがら、変拍子のモチーフが浮かんで、忘れないように携帯のICレコーダーに向かって歌って録音しておいた。ところが案の定業務を終えて帰宅するころにはすっかり忘れており、3時ごろに帰宅すると体調が怪しくなったのでソファで1時間ほど昼寝。会ったこともない、ツイッターでしか知らない人が夢に出てきた。なかなかソファから起き上がることが出来ない、という夢で、実際無理やり目を覚ました、という感じ。ようやっと目が覚めたところで先程録音したモチーフを聴いてみる。2回繰り返しているのだが、どうも1回目と2回目が違うように聴こえる。録音状態が悪く、2回目の方が聞き取りやすかったので譜面に起こしたものの、これは頭ジャストなんだっけ、それとも弱起なんだっけ、としばらく悩むが、結局弱起にしておいた。頭に浮かんだときは非常によいモチーフだと思ったんだけれど、頭の状態のせいかどうも全体像が浮かばない。とりあえず拍子だけ8分の6(サビは8分の9)ということにしておき、ランダムに浮かんだコード進行やらリフなどを書き留めるがどうもまとまらないというか、集中力が続かないので、ちょうど薬もなくなったことだし、精神科に向かう。例によって待合室は空いていたものの、僕の前の患者の診察時間がやたらと長く、かなり待った。で、いざ呼ばれてみると、困ったことに何を話したらいいか皆目見当がつかない。ずっと調子がよかったわけではもちろんないし、じゃあどう調子が悪かったのかというと記憶が定かでない。困り果てたので、どうも記憶が最近怪しくて、というまんざら嘘でもない話をしておいた。医者が言うには、表情が大分よくなったということだが、ハナから医者の言うことなど信用していないし、減薬して前よりマシになったことは自分が一番よく知っている。実際問題として、僕の言う通りに薬を出す。これでは治療行為とは呼べないだろう。買い物をしているのと同じである。医者から帰るころには7時を回っていたものの、3時ごろにサンドウィッチを食べたせいかお腹が空かないので、「ミレニアム2」の上巻をそろそろ読み終わりそうなのでとにかく駅前に向かう。明日病院なのでSUICAにチャージして、先にドトールでエスプレッソを飲んで本を読みながら空腹を覚えるのを待つ。店内にはPagesが流れていた。ドトールでは最近80年前後のAORをもっぱらかけており、やたらとジェイ・グレイドンのギター・ソロが流れ、ときおり、アラン・パーソンズ・プロジェクトとか、すっかり忘れていたものがかかったりする。もう8時になろうとしているのに店内は混んでいて、いろんな人が読書やら携帯やらノートPCやら物思いにふけっている。ほとんどの人は仕事帰りで、まだ夕食を済ませてない人も多いだろう。かつては僕もこういう人たちと同じだったと思うと、なんか不思議な感覚を覚える。8時を回っても空腹を覚えないので、しょうがないので本屋に寄って「ミレニアム2」の下巻を買い、それから例のラーメン屋に寄ってつけ麺を食べた。駅の反対側は再開発の真っ最中で、建設中の夜の建物はひと気がなく、殺伐としている。やけに満腹を覚えながらとぼとぼと歩き、途中遊歩道のベンチで休みたい誘惑に駆られたが、そのまま歩いて帰った。帰宅して、歩きながらさっきのモチーフの改善案を思いつき、譜面を書き直す。ついでに思いついたコード進行やリフを書き殴る。どうもまとまる気がしないので、昨日の曲を聴き直してみる。すると、まんざらでもないような気がしてきた。どうやら、だんだん僕はこの曲が好きになっているようだ。