ボブ・ザ・ネイラー、あれから

嫌な感じはしていた。実際のところ、早く起きなければ、という夢を見ていた。目を覚まさなければこのまま延々と寝てしまう。で、実際問題として寝てしまったのだった。ようやく目を覚まして時計を見ると、案の定、時計は正午を指していた。焦る。なおかつ眠いのだから呆れる。確かに昨夜はまったく眠くならず、4時過ぎに飲みたくもない睡眠薬を飲んでようやく寝た。まあしかし、昼まで寝てしまったものはしょうがない。いまさらどうにもなるものではない。問題はこれを書いている今、この後何時にどうやって寝るかだ。明日は病院に行く日なので、昼まで寝ているわけには行かない。最近の睡眠時間から逆算すると、もうすぐ床に就いて眠らなければならない。目下の僕を悩ませているのはそのことだが、とにかくこれは日記だ、今日のことを書こう。実に遅い朝食後、昨日寝る前に録った曲を聴き直してみる。昨夜弾き過ぎだと思ったソロは思ったほどではなかった。曲の性格上、これぐらいでもいいかも知れないと思った。どちらかというと気になったのはリフで、いかにもありふれたリフだからなんかに似てようが似てまいがどうでもいいのだが、大分前にYouTubeで見たCharのレコーディング風景に出てきたリフと似ている気がして、頭の1音だけ直してギターを弾き直す。それに合わせてベースも直し、ついでだからピアノも全部弾き直す。で、聴いてみると、こういう曲なりにそれなりに聴こえたので、音声ファイルをアップしてヤマザキとヨウタロウにメールを書く。前回ボツにした曲のときはメールを書く段になってもかなり迷ったものだが、今回はもういいや、という感じで。どうあがいても僕は僕が作れる程度のものしか作れない。そんなわけで一応気分的には1曲が出来たが、前回の轍を踏まないよう、今回は途中段階のものをFacebookにアップするのは止めておいた。なんでもかんでもアップすればいいというものではない。起きた時間が時間だけにあっという間に夕方、しかし日が傾くころから何故か抑うつ状態に突入、両手の指が痛いほど痺れる。このままソファに横になって鬱屈しているとますます酷くなるか寝てしまうかのどちらかなので、顔まで痺れてきたけれども夕食兼昼食を食べに駅に向かう。で、久しぶりにとんかつ屋に入り、一口ひれかつ定食を食べた。さして空腹だったわけではないが、予想通り、腹が朽ちると幾分抑うつ状態はマシになった。再読しているスティーヴン・ハンター「極大射程」がもう読み終わる寸前なので、本屋に寄って少々迷った挙句トム・ロブ・スミス「チャイルド44」上下巻を購入、そのままドトールに入り、「極大射程」を一気に読み終えた。12年前と同じカタルシスを味わう。まったく、ボブ・リー・スワガーは近年のミステリの主人公の中でも傑出したキャラクターだ。ありとあらゆる難局をパーフェクトな抜け目なさで切り抜けるという、ある意味ランボー的な超人ではあるが、ちゃんと小説的リアリティの中に収まっている。驚いたことに本を読んでいる間、ジノ・ヴァネリの曲が2曲かかった。「Santa Rosa」と「Brother To Brother」。そんなわけでドトールの中でカルロス・リオスの歴史的名演が流れた。ギターソロの後のベースソロとドラムソロの掛け合いからトゥッティになだれ込むところで全身が総毛立った、初めて聴いたときを思い出す。あれは「漂泊人(さすらいびと)」という、早稲田通り沿いにあった深夜ロック喫茶だった。帰途、夜は気温が下がり、ちょうどよい涼しさだった。遊歩道のベンチで一服して夕涼みをする。帰宅すると1曲出来て後はファイルが送られてくるのを待つだけなので手持ち無沙汰だ。昔好きだったヒロスケ「あ・れ・か・ら」をYouTubeで聴く。僕はアルコールは一滴も飲めないが、いまだにこの歌詞はじーんと来る。自分も歌が歌えたらなあと思う。ギターを取り出してちょっと歌モノを作ろうと試みるがすぐ諦める。いいヴォーカルを探した方が早いだろう。今夜は睡眠薬が2錠必要かも知れない。

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