奔流

2月15日、土曜日。

正直なところ、日記を書きたくもない。悪意は伝染する。

朝、僕がまだ寝ているころを見計らって彼女から酷い内容のLINEが届いて起こされる。僕を小馬鹿にし中傷し、嘲笑う内容だった。腹立たしさで眠れないのでしょうがなく起きる。

朝食後、今度は電話がかかってくる。最初は付き合うのは無理でも友だちなら……みたいなことを言うので、じゃあ今朝のあのLINEはなんなんだ、と問いただすと「クソジジイ!」と怒鳴って電話は切れた。

その後の午前中、彼女は3回にわたって僕を最大限侮辱するLINEを送ってきた。もちろん既読スルーにするのだが、生まれてこの方、誰かにここまで侮辱されたことはない。考えたくなくても一日中延々と彼女のことを考えざるを得ない。頭から離れない。なんとか考えまいとKindleでトレード関係の本をひたすら読む。だが手が休まるとまた彼女のことを考える。午後はLINEが来なかったがあまりにも丸一日考え過ぎて何がなんだか分からなくなる。もとよりここまで人を侮辱、罵倒するということがまず理解できない。

すっかり日が落ちて、食欲はまったくないものの朝早く起きたので腹が減って夕飯を食べる。それで腹だけはなんとか朽ちたが、頭の中はもうほとんど麻痺している。そのうち、なんということか、彼女に対してまだ愛しているというメッセージを書こうか、と思い始めた。こういうのは一体どういう心理状態なのだろう? 結局、彼女のLINEのメッセージを読み直して、その内容のあまりの酷さを思い出してメッセージを思いとどまった。とにかく、スクリーンショットを撮ってここに載せたいくらい酷い内容だ。

夜、今度は恐喝まがいの電話をかけてきた。彼女は精一杯ドスを効かせて凄んでいるつもりのようだった。諦めるかどうか、わかんないよ、と彼女は言って電話は切れた。

その後風呂に入っていると先ほどまでの反動で頭の中で憎悪の念が渦巻き始めた。凄まじい憎悪だ。気がつくと彼女と同じような酷い言葉を発するというか、同じ土俵にいるというか、つまりは同化してしまうのだ。

いずれにせよ、人を極限まで侮辱してその上でその人間から何かを得ようなどと思うのは、カツアゲする中学生レベルだ。彼女はかつていじめを受けていたらしいので、もしかしたらそれを逆の立場から再現しているのかもしれない。深層心理を辿っていくと、大方そんなところだろうと思う。ただそれを彼女に向かって言うと、極限まで妄想が爆発することは分かっている。

もうLINEをブロックして、Skypeもアンインストールすべきなのかもしれない。電話も着信拒否にして。彼女は人として超えてはならないレベルをとっくに超えている。そうして当たり前なのだ。何故自分はLINEをブロックしないのか? 僕も頭がどこかおかしいのかもしれない。

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