確かに僕はちょっと寂しい気がした

駅から帰宅するまでの道すがら、頭の中が茹で上がるような暑さ。帰宅するともちろん冷房をつける。ソファに寝転がっていると、身体が上手く動かなくなった。なんだか調子がおかしい。精神的にも不安定な感じがする。痺れ方もいつもと違う。たぶん、昨夜飲んだ新しい薬が合わないのだろう。当たり前だ。波のない僕が、波を抑える薬を飲んでもしょうがない。また行き当たりばったりの人体実験にされた。頓服を2錠飲んで、2時間ばかり眠る。曖昧な夢を見る。目が覚めると、少しはマシになったようではあるが、やっぱり何も出来る気がしない。既に日の落ちた外に出た。あの狂ったような暑さは収まり、少し風も出てきた。駅前のカフェに行って、元妻と軽い夕飯を食べた。元妻は、彼氏が出来た、と嬉しそうに言った。以前と違って、彼氏が出来たからといって僕に対する態度が変わるようなことはなかった。それでも確かに、僕はちょっと寂しい気がした。何かが生まれ、何かが終わる。そういうことの繰り返しで人生は出来ている。

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