8月15日、土曜日。
夕方まで頭痛。そんなわけで日中はほぼ廃人だった。書斎は冷房が効いているが外は35度。年を取って夏バテになるとこうなるのかというのを体感。記憶まで飛んだ。彼女への着信拒否をいつなんで解除したんだっけ?ということを一瞬思い出せなくなった。スマホの通話記録を見てようやく公衆電話からかかってきたことを思い出す。これはかなりヤバいレベル。脳か何かの障害なのだろうか。ようやっと頭痛が治まった夜はだるい。なんだか膝に来ている。もうボロボロ。何をする気力も体力もないが、そんな中合間合間で思いついたもので曲をワンコーラスなんとか書いた。へろへろなので長いことキーボードに向かって弾けない。そんな中、気がつくとAメロにもBメロにもCメロにも曲全体のキーにも全然関係ないノンコードのヴァンプというかイントロというかシーケンスを弾いていた。使えるかどうかわからないが譜面にメモっておく。何しろ記憶がなくなるから。それにしてもこの奇妙なシーケンスは一体どこからどうやってやってきたのだろうか。考えたら絶対思いつかないし出て来ない。どこかから降りてきたという感じ。俺はどこまで衰えてどこまで行くのか。
ああ思い出した。日中あまりにも具合の悪い人だったのでツイッターのタイムラインを見ていることすらできず、かといって延々と横になるわけにもいかずで、何かをやろうとして一度は削除した作詞作曲教室のサイトを復活させてまた登録とかしたんだった。何らかの努力をしたくて。それにしても記憶やばい。いつかすべてを忘れてしまうのだろうか。
夜、ふらふらと覚束ない足取りで例のベンチまで歩いて煙草を一本吸った。日中のクソ暑さが嘘のようなちょっと涼しい風が吹いてきた。どうやら記憶が時間軸通りに並んでいないようだ。サンプラーでトリガーしたようにしか出て来ない……。