絶望らしきもの、夜の樹

10時起床。むむ、さっきまで夢を覚えていたのだが……忘れた。誰もそんなもの期待してないか。起きてみると肌寒く、今日は身体がダルい。よって、自動販売機に煙草を買いに出たのと、セブンイレブンに夕食を買いに出たほかは自室に丸一日篭る。もちろん、一日中楽曲制作をしてるとか、小説を書いてるとかならともかく、精神衛生上よろしくないのは分かっているのだが……。そういえば最近、この日記以外に長い文章書いてない。昼過ぎに昨夜電話したうちの一人、以前勤めていた制作会社の社長(元社長と言った方がいいかも知れない)から珍しく電話がかかってきて、しばらく世間話的に喋る。彼は現在都内某所(池袋)に喫茶店のような飲み屋のような小さい店のオヤジとなっていて、音楽制作は片手間になっている。で、今やっている3人組のアイドルの動画がYouTube上にあるというので見たのだが……とほほ、という感じ。彼が曲とか書いているのだが(一応元作曲家である)、とにかく総体的にクオリティが悲しいぐらい低い。なんとかっつうたぶんアイドルのコンテストみたいなもののグランプリになったというのだが、世の中をナメてるとしか思えないな。あんなもので売れると本気で思っているのだろうか。とにかく、現在の彼には今の僕に仕事を振る余裕はなさそうだ、ということは分かった。その後、ネット上で就職活動らしきものをした。いろんなところに登録したり。で、案の定気が滅入ってきて、夕方から夜にかけてすっかり抑うつ状態になってしまった。そもそも僕のうつ病が酷くなったのは、8年ぐらい前の就職活動のせいである。だからこれはいわば自明のことだ。当時と比較しても今の僕の状況はあまりにも就職には不利である。年齢のこととか、病気でのブランクのこととかを考えるとほぼ絶望的とさえ思える。気がつくと、すっかり被害妄想と強迫観念に蝕まれていた。しょうがないので安定剤を1錠飲んでみるが一向に効かないので、また薬漬けになるのはホントに嫌なのだがもう1錠飲んでしまった。するとぼうっとしてきて、一応極度の不安感らしきものはごまけた。その後は多少は精神的に前向きになったのか、ネットビジネスの勉強というかリサーチをさっきまでしていた。なんとなくだけれど、物凄くセコいとこからなら始められるんじゃないかな……などと思う。まあ気のせいであっても、ただ絶望に沈んでいるよりはいい。

で、トルーマン・カポーティ「夜の樹」再読了。やっぱり面白いなあ、カポーティ。この短編集はいろんなダメな奴、ヘンな奴、嫌な奴が出てくる。先日読んだフォークナーの「響きと怒り」もそうだったけど、結果、そういう連中が物語の面白さと魅力を生んでいる。短編というのは、なかなか1編だけでカタルシスを得られるようには書けないものだ。つまり、その短さ故にストーリーを完結させるとか、完成されたストーリーにするのは難しい。この短編集の各編がそれぞれ完成されたストーリーとまでは言わないけれど、短い中でのストーリーテリングは見事だ。残念ながら僕の持っているのは瀧口直太郎訳の古いもので、訳そのものが古いということもあるけどこの訳者の日本語そのものがおかしい。特に英単語の訳し方が妙にネイティブな発音をそのまま引用しているようなものが多く、例えば「カプランド」とあったら「コープランド」のことなんだな、とか言う具合にいちいち頭の中で再変換しないといけない。リンク先の文庫は新訳みたいだから、これから読む人は文庫で読んだ方がいいだろう。っていうか、ハードカバーはもう売ってないのか。僕が読んだカポーティは後は「冷血」だけなんだけど、そっちも大好き。有名な映画化された「ティファニーで朝食を」もそのうち読んでみよう。と、今アマゾンのリンクを貼っていたら、「ティファニー~」は村上春樹訳なんだな。是非読まねば。

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