迷路

相変わらず残暑は続く。午後、業務からの帰り道、夏の名残りのミンミンゼミが一匹鳴いていた。帰宅後、意を決してラミクタールを飲んでみるが、眠気を催すことはなかった。が、相変わらず痺れているので一時間ほど午睡。目が覚めると少しはマシになり、小康状態は夜まで続いた。なでしこの五輪予選最終戦、対中国戦をネットの文字中継で見ていたが、当たり前だが自動更新される文字中継をぼうっと見ているのは実に退屈、更新される文字列をなんとなく追っていると日本が押されている展開。これを2時間続けるのは無理、と思ってパット・メセニー・グループの名盤、「Offramp」をかけてソファで放心する。アメリカの郊外の荒涼とした風景を思い出す。ヴィム・ヴェンダース監督のロード・ムービー、「パリ、テキサス」を見たいなあと思う。その後も何か思索にふけったのだが、何を考えたのか忘れた。気がつくとなでしこは1-0で勝っていた。震災のときの津波の特集ということなのでNHKスペシャルをなんとなく見る。見終わるころに、また痺れが酷くなってきた。左足の甲、左の足首、それから右の足首、という具合に脈絡のない場所に痛みは移動する。一日に2度波が来ると損した気がする。時間も中途半端だし、ひたすら我慢し続けるのも辛いので、よたよたながら散歩に出てみる。以前、煙草の自動販売機を発見した道を、その先まで歩いてみる。高架をひとつくぐり、線路沿いに歩いているとそのうち前方に駅らしい光が見えてきた。はて、一体どの駅だろうと思い、とにかく確認しようと行ってみると、驚いたことにそれは例の24時間営業のスーパーがある駅だった。僕が出たのはちょうどそのスーパーの裏手だった。途端に方向感覚が怪しくなる。横方向に歩いていたはずなのに駅の裏手に出る。なんかカフカ的な現象に思える。空にはもうすぐ満月になる月。あまり深く考えないようにして帰る。もちろん、いつもの道で。

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