辺境の孤独

申し訳ないが今日は気分が最悪、日記を書く気力もない。安定剤のレキソタンを1mg飲んだのだが1mgじゃやっぱりうんともすんとも効かない。さらに申し訳ないことに、どうも一昨日M君と長電話して以来、すっかりこの調子なのだった。今夜は誰に電話しても誰も出ず。電話に出そうな友人には電話出来なかった。なんだか日一日と友だちをなくし続けているような気がして、これ以上友だちを失いたくないのだった。あれ以来生活のリズムはすっかり狂い、今朝は9時のドアチャイムで起こされたがただの回覧板、寝たのが3時半だったので眠くてどうにもならず、朝食後にソファで1時間ほど寝ると午前中は終わってしまった。嫌な夢を見た。どこかの山荘に僕はいるのだが、話しかけても誰も相手にしてくれないのである。

とにかくずうっと嫌な感じが抜けない。最近の僕は歳のせいというよりも恐らく体力がないせいで5時間半の睡眠では持たず、起きてから2時間は経たないと頭が回らない。車で言えばキーを回してから2時間経過しないとエンジンがかからないというわけだ。ようやく頭が回るようになってからチャートを立ち上げ、しばし考えて指値を置く。朝届いていたリュック・ベッソン監督「レオン」とポール・トーマス・アンダーソン監督「ハードエイト」をリッピングして、さて何をしようか考え、もう3時近いが今月初の業務に行った。要するに様子見と冷やかしである。1時間半ばかり。状況は変わらず。つまりよくも悪くもない。煙草だけ交換して帰る。

空は梅雨らしくどんよりしているが今日は雨は落ちて来ない。帰宅すると指値がひとつ成立していた。夕食を済ませてお茶を飲みながら一服している間に日当は出て、今日は気分が天気のようにどんよりしているのでなんとなく母のところに向かう前に決済した。いつものように面会時間ぎりぎりまでいて帰る。帰り道はいつも夜の帳が降りて、傍らの水田ではいつものように蛙たちが鳴き、薄暗い墓地を抜けて帰る。

既に日当は出ている。だから何の問題もないはずである。だが嫌な感じが抜けない。それは夜が更けていくに連れてどんどん僕の気分を沈ませていく。昨夜途中になっていた「SHERLOCK」の4話を見ていると、指値が成立する音がした。結局迷った挙句、残りの2つも残しておいた。それはすぐにストップロスに引っかかり、僕をさらに憂鬱にする。差し引きでも日当は出ている。だから問題はないはず。しかし、既に決済したユーロドルはその後もどんどん下がり、つまり放っておけばどんどん利益は出ていたわけでそれがさらに憂鬱に拍車をかける。それからポール・トーマス・アンダーソンの「ハードエイト」を見始めたが、気分はさらに落ちていく一方、いたたまれずに途中で映画を止めてジョンとヤマザキとフーちゃんとアキヤマに電話してみるが誰も出ない。実のところ、その中の誰かが電話に出たとしても、何を話したらいいのかさっぱり分からなかった。だから一方ではほっとする自分がいるのだが、もう一方には物凄く孤独な自分がいる。嫌な感じ。自分が途轍もない辺境にいる気分だ。実際、ここは辺境なのかもしれない。

しょうがないので「ハードエイト」の続きを見る。小品だった。やはり、残念ながらポール・トーマス・アンダーソンは天才ではないようだ。しかし、もしかしたらそれは今日の僕の気分のせいかもしれない。

相場の読みはほぼ完璧だった。ユーロ円を除いて。何の問題もない。ただドル円の指値が厳し過ぎただけ。それと、抜け方が甘かっただけ。また明日頑張ればいい。久々の業務も何の問題もない。僕の目も、頭もまだ錆びついていない。だがこの嫌な感じはなんなのだろう。M君には申し訳ないが、ホントに電話しなければよかった。今の僕は電話というものに向いていない。

なんでこう嫌な夢ばかり見るのだろうか。やる気が出ないのだろうか。なんでこんなに孤独なのだろうか。気分の問題だ。それと人間の自尊心ほど厄介なものはない。恐らく僕はプライドが高過ぎ、一方ではコンプレックスが強過ぎる。おまけにうつ病ときている。三拍子揃っているというわけだ。せめて天気がよければなんとかなるような気がしないでもないが、それは当分望めそうもない。梅雨というのはどうにも憂鬱だ。それにしても、なんて辺境にいるのだろう、僕は。

人間というのは困ったことに上手く忘れることが出来ない。そのくせ、肝心なことを忘れたりする。今朝方届いたサイモン・シン「代替医療解剖」を読み始めたいのだが、そのためには途中になっているJ.G.バラードの短編をひとつ読み終わらねばならない。物事には区切りというものがある。

書く気力がないときに長い日記になってしまうという矛盾。

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