徒労という名の旅

5月3日、日曜日。

このところ1時半には寝て7時間は寝て8時45分ごろに起きるというパターンなのだが、もうその寝る時間をとっくに過ぎたこんな時間に日記を書いている。というのも、夜中になってスタンダードナンバーである”All The Things You Are” のコード進行をググった流れでジャズギター学習のサイトを発見、それでジャズを弾きたいと思ってからもう30年以上も経過しているにも関わらずまったくジャズが弾けないということに愕然として、イチからやり始めたものの、たかが2小節のフレーズを覚えられず、躍起になって1時間近くも弾いていたらこんな時間になってしまった。さらにショックなことに風呂上がりに田舎に戻ってから初めてのゴキブリ(しかも巨大)を発見してしまった。正直これだけでも途方に暮れるのだが。

というわけで8時45分に起きるとやはりダルくて困憊しているが、昨日ほど酷くはなかった。それで、気分転換に米沢まで車で日帰りの小旅行にでも行ってみようと思い立った。万が一気が向いて泊まることになってもいいように、ノートPCと下着とTシャツの着替えまで鞄に詰めて出発。PCには米沢に一軒だけのジャズ喫茶の地図が表示されるようにしておいた。

大体2時間ぐらいだろうと見当をつけて13号線をひた走る。すると、連休真っ只中ということで山形市を越えて上山市に入るころから道が混んできてちょっとした渋滞。米沢の手前の高畠町に来ると路傍の温度計は30度になっていた。

米沢市内に入るとさらに渋滞、どうやら道路脇の表示を見ると今日は上杉祭りという催しもあるようだった。渋滞中の車内でPCを開いて地図を見て、右手に上杉神社を通り過ぎると上手い具合にちょうどジャズ喫茶に辿り着いた。出発したのは10時47分、あれだけ混んでいたのに到着したのは12時58分。やはり大体2時間だった。

駐車場に車を停めて、さて店のある2階への階段を上ろうとしたら、そこにはこんな張り紙が……。

jazz1

禁煙じゃないか

唖然。禁煙のジャズ喫茶なんてあるのか。生まれて初めてだ。もちろん僕は階段を上るのを断念した。炎天の渋滞の中、こんなところまで来たのに。とにかく腹が減ったのでどこかで昼食を食べなければ。ジャズ喫茶はちょうど交差点の角にあり、角を山形大学の方に曲がるとちょうどラーメン屋があった。嬉しいことに冷やし中華ののぼりが立っている。というわけで店内に入り、870円というのはちと高いなと思いながら当然の如く今年初の冷やし中華を頼んだ。

hiyashi1

出てきてあれ、と思ったのはからしがついてないことである。ま、いいやと思って食べ始めると、なんということか、スープが普通の醤油ラーメンのスープである。

これは冷やし中華ではなくて冷やしラーメンではないか

なんということだ。わざわざ2時間もかけてやってきたのに。米沢。それでなくても何十年ぶりで来てみると思いの外建物が建て込んでいて古い城下町という風情はなく、道の狭い山形(市)というか、埼玉辺りに普通にありそうな凡庸な地方都市であった。

結局ジャズ喫茶の駐車場で煙草を1本吸って、そのまま来た道を引き返した。どこか喫茶店で珈琲でも飲みたいと思ったが、上杉神社の隣にカフェがあったのを過ぎてしまうとそういういい感じで一服出来そうな喫茶店は見当たらず、そのまま延々だらだらと戻り、辛抱溜まらずドトールに寄ってカフェ・ラ・テを飲んで一服した。結局ドトールかよ、という感じは非常にするし小旅行どころかただニセモノの冷やし中華を食べて往復しただけといいう徒労で半端なく疲れている。

帰宅したのは4時過ぎだった。こうして地元に戻ってみると、こちらの方が明らかに空が広くて穏やかで風光明媚にすら思え、地元が一番いいじゃないかなどと思う。まんざら悪いところに住んでいるわけじゃないと。

それはともかく、たかだか4時間ちょっとのドライブで尋常じゃないほど疲労している。もう疲労困憊どころか椅子にも座っているのが辛いほどなので、ソファで横になる。すると、うとうとしてしまったのか気がつくと6時を回っていた。

母のところに行って戻ってくると8時、あまりにも疲れているせいか食欲もあまりないが冷凍の餃子を焼いて夕飯。しかしとにかく異常なまでに疲れていて、頭痛までしてきた。まるで腎炎の人のようだ。体力がないにもほどがある。

というわけで、気分転換の小旅行を決行したつもりがただの徒労に終わり、自分の異様なまでの体力のなさを思い知らされるだけの一日となった。今日の教訓は、連休に遠出なんかするもんじゃない、ということ。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク