秘蹟

9月17日、土曜日。

土曜日なのに今日も8時前という早起きをして業務に行ってえらい酷い目に遭ったのだけれど、今日のポイントはそこじゃない。

このツイートに添付した写真では立体感が分からないかもしれないけれど、これ、実際は一目で分かるぐらいに小山のように盛り上がっている。ツイートの中にもあるように最初に発見したのは昨日で、写真でいう右側と右上の二辺が奇妙に盛り上がっていた。何故気づいたのかというと飛び石に土が被っていたからなのだが、昨日の時点では園芸用のシャベルですくってもただ乾いた土があるだけでなんだかよく分からなかった。それで首を傾げながらも平らにならしたのだった。だから今朝発見したこの小山のような盛り上がりは昨日は絶対になかった。つまり、昨夜から今朝にかけての間に出来たものである。昨日の盛り土が乾いていたのはたぶんそれだけ発見が遅れて時間が経過したからなのかもしれない。今日の盛り土はツイートにもあるように中が明らかに湿っていた。だからこれは動物が用を足した跡なのではないかと思ったのだった。

以前ウィキペディアでタヌキを調べたときに、タヌキは決まったところに糞をするとあった。昨日今日の盛り土には糞は混ざっていない。どちらかというと、ツイートに書いたようにちょうど小便をしたあとの猫のトイレ用の砂という印象。ということから推察するとこれは小用を足した跡ということになるが、ウィキペディアのタヌキのところにも糞の跡はともかく小便の跡を残すとは書いていない。まあ小便は乾いてしまうから。しかしそう考えると(つまりこれが庭先に住みついたタヌキの小用の跡だと考えると)タヌキも犬みたいにマーキングするということなのだろうか。なんでマーキングと考えるかというと、この発見した場所が玄関から続く飛び石のちょうど真ん中の辺りで、こんな目立つところをわざわざトイレ代わりにするとは思えないからだ。

という具合に、考えれば考えるほどよく分からない。昨日見たときに最初に連想したのはモグラだったのだが、モグラなんて子供のころ以来見ていないし、そもそもモグラであればもっとそこらじゅうを掘り返しているはず。今日見つけたもののように小山のように土を盛り上げるということはモグラはしないはずだ。昔じゃあるまいし野良犬なんていないし、猫がここまで大きく土を盛るとは思えない。そういう具合に消去法で考えていくとタヌキしか思いつかないのだった。

いや、人間という手もある。もちろん人間ならこんなことを簡単に出来る。しかし、そんなことをする人間が一体いるだろうか? それも二日続けて夜中の間に。

ここまで来ると世にも奇妙な物語というかトワイライト・ゾーンというか超常現象というか、ある種の秘蹟にすら思えてしまうのである。

一番確実な方法としては野生動物観察用のトレイルの定点カメラ(自動撮影カメラ)を設置することだが、さすがにそこまでするほど暇じゃない。しかしね、玄関先の一番目立つところだから気味が悪いのだよ、正直。

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