7回目、終了

昨夜は12時に睡眠薬のレンドルミンを1錠飲んで寝ようとしたが、一向に眠くならないのでもう1錠飲んだら効いてはきたんだけど全然眠れない。しょうがないのでもう1錠、ロヒプノールを飲んだ。以前の経験から言ってこれが限界。もうぐらぐらしてるんだけどなかなか眠れないので参ったが、いつの間にか眠ったようだ。そんなわけなので朝目覚ましで起きたのはいいが、睡眠不足で眠くてしょうがない。今日は7回目の抗がん剤投与の日、病院に着いたのは9時15分過ぎ、だが比較的空いていたので、採尿採血の後、10時半過ぎには診察室に入ることが出来た。で、血圧のこととかを話していたら唐突に医者が条件的には6回で終了することが出来ますがどうしますか、と言い出し、気持ち的にはもちろんやらなくて済むのなら一も二も無く止めたいのだけれど、突然言われるとそうそう気分だけで即答出来るようなことではない。大体こうやって7時間の点滴の苦痛を我慢しようと必死の思いで覚悟して来ているわけだし、止めていいのかという若干の不安ももちろん頭をよぎる。そんなわけで咄嗟には頭の中で結論が出ず、せっかく来たので今日は治療を受けますと言ってしまったのだが、言った瞬間からもう後悔している。診察室を出るまで、死ぬほど後悔しまくったのだが、とうとうやっぱり止めますとは言い出せなかった。そもそも、当日になっていきなり言う方が悪い。僕に決断を委ねるのであれば、前回の治療時にインフォメーションしてくれれば考える時間はたっぷりあったのだ。この医者の欠点はコミュニケーションが一方通行になりがちで、どこか決め付けているようなところがあり、患者側から何かを言い出しにくいというところだ。で、化学治療室に入って点滴が始まり、僕は担当の看護婦にそのことを延々と長話していた。あの先生だとなんか言いにくいんだよね、的な。6回で止めてもいいんなら、7回で止めてもいいはずだよね、ところがあの先生の言い方だと6回か8回のどちらかしかないように聞こえる、って具合。で、僕としてはどうしても今日の7回目で止めたい、と話していると看護婦が、じゃ、私から先生に話しましょうかと提案してくれた。とそこに最初診察してくれていた教授がたまたま通りかかり、いきさつを話すと、じゃ、この後会議で会うので私から話しておきますよ、ということになり一件落着、今日の7回目で抗がん剤投与は終了と相成った。ま、いずれにせよ僕がどうしても嫌だとゴネればいいだけの話だったのだ。医者の話でも6回で止めた人と8回で止めた人の違いを示すデータはないと言っていた。死なないことがもちろん大前提だが、そろそろ生きるということも考えなければならない。抗がん剤を止めてどれぐらいで体調が戻るのか分からないけれど、一刻も早く入院前の体力を戻す必要はある。とまあそんな感じなのだが、最後の点滴は7時間半かかり、治療室はやけに寒くてタオルケットをかけて大半は眠っていたのだが、最後は頭痛までしてきてしんどかった。今回の副作用を乗り越えれば、少なくともしばらくはもろもろの苦痛に悩まされることもなくなるだろう。ようやくほっとする。

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