懐疑

帰省している数日間、普段一緒にいれない母に対して一生懸命になる弟の気持ちは分かる。だが、母のことに一生懸命になるあまり、弟は他のことの多くを見過ごしている。例えば僕のこととか。母と生活を共にしているのが僕であることとか。

というようなことを夜、母が寝てから弟につい言ってしまった。で、その後凄く嫌な気分、救い難い気分になった。もちろん僕は出来ればこんなことは言いたくなかったのだ。

僕が日本代表のウルグアイ戦を見ている間、弟は台所で野球を見ていた。どうしてこうも価値観が違うのだろうか。もちろん僕が野球というものに興味がないということもあるが、僕には理解出来ない。朝から晩まで弟が母を子ども扱いしてずっと話しかけているのは、僕にとってストレスと違和感、負担になるだけだ。一体僕にどうしろというのだ。

で、このところいつもそうであるように、おかしいのは僕の方ではないか、と思ってしまうのだった。実際、今の僕の精神状態は悪過ぎるし、被害妄想傾向が強過ぎる。しかし、確かに度が過ぎてはいるが、本当に僕の感じ方は間違っているのだろうか。そして、それがどちらであるにしろ、救いのない気分になることは変わらないのだった。

そんなわけでなんかウルグアイ戦(2-4での敗戦)について書く気も失せてしまった。いろんな人がいろんなところにいろんなことを書いているだろうから、敢えて僕がいまさら書くこともなかろう。ただ課題が浮き彫りになったと考える方が前向きであるし、これがW杯の本番でなくてよかったのだと考えるしかない。ひとつだけ言えるとしたら、両チームとも、ベストコンディションでの試合を見たかった。

今日は昨日よりさらに暑かった。どうやらこの辺でも36度に達したらしい。都心では毎日この調子なのだろうな。夜は多少気温が下がるので、その点ではずっとマシだ。

今日は来客もなかった。僕は母と買い物に出た以外はほとんど一日中書斎にこもっていた。昨日から手をつけ始めたものの続きなどをやっていたが、途中からそれも無駄なのではないかと懐疑的になってしまった。で、午前中から母と弟と3人で父の遺産相続などというただ憂鬱になるだけの話をしたものだから、ずうっと気が滅入ったままで一日を過ごし、四六時中頭痛に悩まされ、頭痛薬を2度飲んだ。

肩が凝るし頭痛がする。気が滅入る。それだけの一日だった。確かに今日もいらいらはしていたが、最終的にそれは途方もない落胆に似た気分へと変質した。

今日の煙草は22本だが、今の精神状態では減らす方が無理。

村上春樹の「多崎つくる」、読んでいて違和感が抜けない。村上春樹の小説を読んで文章すら楽しめないのは、僕の精神状態のせいだろうか。それだけではないと思うが。村上は初期のイマジネーションを捨ててしまったのだろうか。自分のスタイルから脱しようとすればするほど技巧的になり、ストーリーの底が浅くなっていく。まるで形骸を読んでいるようだ。これなら初期の作品を何度も読み返した方がずっとマシだよ、ハルキくん。これでは村上春樹の真似をし損ねた作家の作品みたいではないか。

明日は朝の8時に坊主がやってきて棚経を読む。早く盆が終わってくれないかな。本当に父が帰ってきているのだろうか。なんか弟と母、それに自分自身に気を取られて、むしろいつもより父のことを考えない。これでいいのだろうか、パパ。

なんかやり切れない。ひたすら。

あまりにも日本禁煙学会とやらにムカついたので一応更新したが、この件に関しては多くを語るつもりはない。


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