最悪とはなにか

母の状態が悪いとき、手帳に△をつけている。母は週に一度、火曜にデイサービスに行っているが、デイサービスに行き始めてからずっと火曜日は△が３つ付いている。そして、今日は４つだ。母が退院して以来、４つ付けたのは初めてだ。最悪とはなにか、さっきからずっと考えている。先日のように母が意識を失い、脱糞して救急車で運ばれることだろうか。それとも母が死ぬことだろうか。とすると、相対的には今日は最悪ではないのだろうか。母が寝たのはついさっき、１時を回っていた。今日の母は人間というよりも形骸そのもの、抜け殻同然だった。風呂に入れと言っても入らない、寝ろと言っても寝ない。涙目をして台所に何時間でも立っている。夕食後、最近の母は満足に洗い物が出来ないので、僕がやるから洗わないようにと何度も念を押したにも関わらず、僕が書斎で煙草を１本吸っている間に母は洗い物をして、僕はまたキレた。それが原因だったのだろうか。母は病気だから、統合失調症だから、僕はありとあらゆる自分の感情と気分を抑え込まなければならないのだろうか。果たして人間にそんなことが出来るのだろうか。今日の状態が続くようであれば、また入院させるしかなくなる。僕の感情はそれをさせたくない。だがそれも非情に徹しなければならないのだろうか。たぶん今の状態が続けば、僕はもたないだろう。母同様、僕も既に壊れかけている。自分を抑え込もうとすると感情がそれを決壊させる。一体どうすれば他人事のように扱えるのだろうか。そして、僕はそうすべきなのだろうか。

今日のベラルーシ戦は最近の中で一番酷い試合だった。最悪だ。それでなくてもこんな気分であるのに、いまさら何か書く気も起きないぐらい酷い試合だった。それは監督の選手起用とか采配がどうのというよりも、選手たちのマインドの問題であると思う。その起因となるのが監督の選手選考・起用であるという論調が起こるだろう。しかし、たぶんその論点は根本的にずれている。監督がプレーするわけではないから。

同じように、僕がいくら努力しても、自分を押し殺しても母の言動を変えることはたぶん出来ない。

こういうのを絶望と呼ぶのか。それとも今日はただの一日なのか。

台風が来ている。外は雨だ。漆黒の闇だ。今日は果たして、睡眠薬一錠で眠れるだろうか。