コウモリ事件

8月11日、木曜日。

本来であれば本日は朝方の五輪サッカー、スウェーデン戦から書き始めるのが筋なのだが、夕方にとんでもない事件が起こってしまった。

それは夕食後に起こった。夕飯を食べ終わってちょうど片づけ終わったころ、突如(それはまさに突如だった)として台所の中を一匹のコウモリが縦横無尽に飛び回り始めたのである。台所の中を物凄いスピードで飛び回るのでびっくりした。それ以前に、一体どこから入ってきたのか謎だった。窓を全開しているといってもすべて網戸になっている。勝手口のドアも閉まっている。コウモリが入り込む隙などないはずだ。しかしそれを論理的に突き詰めようとする以前に、頭上すれすれを飛ぶコウモリがあまりにも忙しなくてなんだか不気味だし怖い。一体どうしたらいいのか分からない。ひとまず、台所から出て一階中を飛び回られたらそれこそ厄介なので、ドアを2つとも閉めた。それから、外に通じる勝手口のドアだけ開けた。つまり、ここからコウモリが外に出てくれればいいわけだ。

いいわけなんだけどコウモリは物凄い勢いで何の脈絡もない飛び方で飛びまくる。僕はそれこそ半分腰が抜けた感じで床に尻をついてしまい、ただうわーと叫んでいた。それぐらいなんか怖かった。どこからも入り込みようのないものが突如降って湧いたように台所中を飛び回っているのである。超自然現象っぽいというか、世にも不思議な物語というか、とにかくなんかしら物凄く奇妙なことが起こっているのだった。コウモリの脈絡のない飛び方は僕の頭すれすれに飛んできたりするのでまるで襲い掛かられているような気がする。いっかな出ていきそうにないコウモリ、しょうがないのでiPhoneで動画を撮ろうとした。速過ぎて静止画はとても無理だから。で、うわーとか言いながらテーブルのiPhoneを取って構えようとすると、コウモリはいなくなっていた。あれだけバタバタと飛び回っていたものが忽然といなくなった。たぶん勝手口から外に出たのだろうが、確信がない。どこかその辺に止まっているんじゃないかとしばらく疑心暗鬼に駆られた。しばらく様子を見て、ようやくコウモリはもういなくなったと思えるようになってから勝手口のドアを閉めた。こうしてなんとも説明のつけようもない奇妙な事件は終わった。

それにしても怖かった。子供のころは今みたいに網戸とかなかったから、寺を飛び交うコウモリがよく家の中に飛び込んできて、それをつかまえて(どうやってつかまえたかは覚えてない)結構可愛いから飼いたいとか思ったものだが、そんなことが信じられないくらい不気味なものに今日は思えた。その、何もない空間に突然現れたような登場の仕方があまりにも衝撃的だった。一度、角の戸棚の間に止まったときは、飛んでないときは随分小さいもんだなと思った。しかし戸棚に手を触れた途端に例の物凄い勢いで脈絡なく飛び回られるともうまったく手の付けようがなかった。しかし本当に一体どこから入ってきたのだろう? 台所の窓の網戸が一ヵ所緩くてガムテープでとめてあるところがあるのだが、そこの隙間は1cmもないから、いくら飛んでないときは小さいと言っても虫じゃないんだからそんなところからは入り込めないはずである。まったくもって奇妙としかいいようのない事件だった。

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それはともかく。

朝、奇跡的に6時59分に目が覚めた。時間を確かめて、瞬時にこれは起きたら7時キックオフのスウェーデン戦に間に合うと判断した。というわけで、録画予約はしていたものの、五輪サッカー、日本対スウェーデンの試合はリアルタイムで見ることができた。

結果からいうと矢島のゴールで1-0で勝ったわけだが、同時刻にやっていた試合でナイジェリアがコロンビアに負けちゃったというかコロンビアが勝っちゃったため、日本の予選敗退が決まった。

今日の試合を見始めてすぐに、スウェーデンとは言ってもまったく怖さがなく、これは勝って当たり前と思った。結局日本は予選を1勝1分け1敗で終えたわけだけれど、事前に3戦全敗と予想したものの、蓋を開けてみればナイジェリア、コロンビア、スウェーデン、どのチームもA代表とはまるで別物の、普通にやれば勝てる相手ばかりだった。拘束力のない五輪のサッカーなんて世界的にはそんなものなのである。何十年ぶりにメダル、なんて力が入っているのは日本だけ。他の国々は選手を集めるのに四苦八苦している。

前述のように今回の相手はどこも勝てる相手だった。では、どうして日本は予選敗退してしまったのか。大きな理由は2つある。

1)初戦、当日入りでコンディションが悪いのが明らかだったナイジェリア相手にいつもと違う守備的な4-3-3というシステムを取ってしまった。
2)オーバーエイジの人選、使い方ともに悪かった。

大雑把に言えばこれだけだと思う。要するに、アジア予選を戦ってきた4-4-2で普通にいつものサッカーをすればよかった。それを相手を警戒しすぎて下手に作戦を練ってしまったのが間違い。それに、ほとんど一緒にやっていないオーバーエイジの選手の使い方が悪かった。細かいところを言えば初戦のGKに試合に出ていない櫛引を持ってきたのも失敗。小細工をせずにいつものU-23の日本のサッカーをすればよかったのである。

とまあそういうことだと思うけれど、所詮サッカー界に於いて五輪というのはほとんど意味がない大会。日本は釜本が決めて奇跡の銅メダル、というメキシコ大会の幻想に拘り過ぎている。まあ今回はそこそこやれたと思うだけでいいと思う。そんなことより所属クラブで頑張ってA代表で頑張って欲しい。

というわけで昼食後、業務に行ったらクソ不ヅキな上にあまりにも冷房ガンガンなのでGジャンを羽織っても身体が冷えて凍死寸前になるという始末。さすがに帰宅後ベッドで1時間ぐらいうとうとした。

相場はまだ迷い道くねくね。自分のスタイルの難点はなんとなく分かるのだがいまだに明解な解決策が見つからない。もっと単純化したいのだが。

まあ今日はいろんなことがコウモリ一匹飛び回ってすべて吹っ飛んだ、っていう感じ。

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