11月22日、火曜日。
今朝の5時59分に福島沖で発生したM7.4(海外基準では6.9)の地震、うちでは6時ジャストに携帯の緊急地震速報が鳴ってびっくりして飛び起きた。すると、ぐらぐらぐらっと揺れてドアがみしみしいう。実家に戻って以来、一番大きな地震だった。iPhoneでツイッターを見ると速報では震度4の地震とあったので、おかしいな、うちでも震度4ぐらいに感じたがと思った。それにしても緊急地震速報のあのキュルッキュルッっていうのは実に嫌な音だ。たぶんある種のトラウマみたいになっていて、条件反射的に恐怖感というか嫌悪感を覚える。
で、大きい地震だと思って驚いてベッドから飛び起きたものの、いざぐらぐらと揺れ出すと何もできない。ドアがみしみしいっているから開かなくなると嫌だなとか頭をよぎるものの、結局僕が取った行動はベッドの脇でスリッパを穿いただけだった。それでどうしようかなとただ立ち尽くしていた。これでは緊急時に最低限のものを持って逃げるとかいうことがなかなか覚束ない。寒いのにガウンを羽織ることすらできなかった。情けないことこの上ない。5年前の震災のときはちょうど駅のエスカレーターを昇っているときで、昇りきったところで柱にしがみついた。あのときは無我夢中だったがそれぐらいの最低限の避難行動はできた。しかし、今朝はまったく何もできなかった。
ぐらぐらと揺れたものの思ったほど長くなく、おさまった頃合にまたベッドに潜り込むがどきどきしてなかなか眠れない。すると軽い余震が来た。しかしながら結局は9時過ぎまで二度寝することができた。起きて朝食を摂りながらツイッターのタイムラインを見直し、それからヤフーの地震情報を見ると、やはり福島では震度5でうちの町では震度4だった。津波も来たので結構大きな地震だった。実際、うちの方でこれぐらい揺れるということは滅多にないので、いかに大きな地震だったかということがわかる。その後も午前中に一回、夜に一回、体感する余震があった。夜の余震は震度1で、普通ならこれぐらいの揺れには気づかないのだが、どうも今日は過敏になっているようだ。5年前の震災の余震という話もあるし、今後一週間は同程度の余震がある恐れがあるということで、どうにも地震国日本、気が休まらない。
気分転換に午後、ゴミ処理場に車で溜まったごみを持って行った。最上川に架かる橋はいまだに工事中で片側通行、待つのがじれったい。帰りはぐるっと回って違う橋を渡る。相場は昨日同様どうもリズムが悪い。今日も夕方以降の欧州時間に二度ストップを食らってしまう。その後半分ぐらいは取り戻したのだけれど、基本方針自体は間違っていないのだけれど欧州時間の押しや戻りにやられるという同じパターンを二日続けてやってしまった。我ながら学習能力がないというかなんというか。夕方持ったポジションを引っ張っていれば元は取れたのだけれど、夜はドラマ「逃げ恥」を見たかったのでその前に利食ってしまい、ドラマを見終わった後はやる気が失せる。なんていうか、欧米が冬時間になってから深夜に動くので困る。それに生活を合わせるとまた世の中とリズムがずれてしまうし。
それにしても「逃げ恥」は面白いなあ。昨日の煙草は結局27本(最高タイ記録)。今日はここまでで24本。どうも世の中と逆行して最近になってじわじわと煙草の本数が増えてきている。今日もどうなることやら。もっとも、考えてみると田舎に戻ってくる前は平気で一日40本とか50本とか吸っていたのだけれど……。
おっと忘れるところだった。コーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」読了。
コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』読了。悪逆非道と殺戮の果てに何があるのかと最後まで読んだが、最後の最後で主人公に何が起きたのかが意図的に書かれていなくて(想像はつくのだが)。すべての残虐な行為は一体なんだったのか? その答えもまた確かなものはない。
— Sukeza (@anykindoflove) November 21, 2016
『ブラッド・メリディアン』、やはり原文には読点に当たるコンマが極端に少なく、会話文のカギカッコに当たる引用符が使われていないとのこと。おまけにワンセンテンスが物凄く長いので読むのに苦労した。この陰惨な話で作者が何を伝えたかったのかは最後を落とし込んでくれずよく分からなかった。
— Sukeza (@anykindoflove) November 21, 2016
『ブラッド・メリディアン』、作者はある意味19世紀西部を舞台にしたドキュメンタリーを書くのに近い意図だったのか。これもまたひとつの歴史、というような。それとも人間にとって戦争(や殺戮)とは何かというようなものだったか。
— Sukeza (@anykindoflove) November 21, 2016
とにかく辟易したのは作者の文体。ツイートにも書いたが訳文はほとんど読点がなく、それでいて比喩を重層的に積み重ねて異様なまでにセンテンスが長い。美文調の典型的な悪文といった感じ。訳者も訳すのに苦労したんだろうなと思う。あまりにもセンテンスが長くて、一体どれが主語だったっけとか、この形容詞は一体どれにかかっているのかとか、すんなりと頭に入って来なくて苦労する。文章自体はそんな風に長広舌というか冗長なくらいなのだが、ストーリーの進め方は対照的にあっさりしていてどんどん進む。最後の方はあっという間に12年経ったり。コーマック・マッカーシーはコーエン兄弟監督の「ノーカントリー」の原作者(原作は「血と暴力の国」)ということで興味を持って読んでみたのだが、さすがにこの文体はヘビー、他の小説も読むかというと微妙なところ。