カレンダーをめくる

12月1日、木曜日。

今日から12月。案の定というか、夜までカレンダーをめくるのを忘れていた。たぶん潜在的にカレンダーをめくりたくないという願望があるんだと思う。11月が好きというわけでは決してないけれど、ずっと11月のままでもいいといえばいい。少なくとも雪は積もらない。

朝、いい感じの夢を見ていたのだが、7時に普通だったら向かいの寺の鐘がなるはずのところで何故かサイレンが鳴って目が覚めた。一体いつから7時にサイレンなど鳴らすようになったのだろう。とにかく二度寝をする。で、次に目が覚めたのは9時44分、いささか寝坊してしまった。確かに昨夜は寝たのが遅かったけれど、これもサイレンが鳴ったせいだということにしておこう。

たまに夢に出てくるデパートのような巨大なビルの中にいる夢を見た。ホールのようなところで何かのイベントをやっていた気がするのだが、二度寝をしたせいか起きたころにはもう具体性を欠いて曖昧模糊としていた。覚えているのは同級生のジョンが登場したということ、イベントが終わって帰ろうとしてエレベーターに乗ったら事務所のある5階に一旦停まって、事務所を通ってもう一度エレベーターに乗り直さなければならなかったこと。なんていうか、肝心なところは覚えていないのにどうでもいいことを覚えている。いずれにせよ、夢には知り合いや友人やかつての彼女やら見知らぬ女性やら、とにかく誰かしらが登場するので寂しくない。少なくとも夢の中では僕はひとりぼっちではない。

だが目を覚ますとひとりぼっちなのだった。独りで煙草の本数を数え、ときおり独り言を言っているのに気がついたり。

昔使っていた古いシステム手帳を見たら、用賀から武蔵浦和に引っ越すきっかけとなった、かつて付き合っていた女の子(もう女の子じゃないだろうけど)の携帯の番号があった。異常に嫉妬深かった元妻から勝手に携帯から削除されていたものである。そんなわけだから、彼女が携帯の番号を変えていなければ一応話すことはできるということになる。しかしもうあれから10年以上になるし、一度この日記にコメントを書いてくれたことはあったのだけれど、一体何を話せばいいのかよくわからない。とにかく一度かけてみようかなと思うものの、違いますと言われたらそれなりに嫌な気分になるだろうし(というかそれなりにがっかりするだろうし)、なんだかかけにくい。かける勇気がない。

そもそも僕は勇気というものを持ち合わせたことがない。それは女性に対してもそうだし、相場をやっていると痛感する。相場のポジションを持つのはリスクを背負うことだから勇気がいる。昨夜ぼんやりと自分にはその勇気がないと思い、勇気を買えないものかと考えた。すると、なんだか買えそうな気がする。つまり、ポジションを持ってストップを設定するところで、その想定損失額がこの場合の勇気の値段なのだと思えなくもない。

そんなことをぼんやり考えた翌日の今日、勇気の値段は高かった。午後早々にダブルのストップを食らってしまい一日の損失許容額に達し、ルールを破って即ポジションを取り直したら今度はシングルでストップを食らった。つまりトリプルでストップを食らったと同じこと。ところがそれが勇気の値段だと思うとそれほどのショックはない。結局その後懲りずにポジションを取り直して、夕方一杯までかかってようやくプラス500円まで取り戻した。プラス500円。これもまた勇気の値段だろうか。ともあれ、今日のところはそこまでで精力を使い果たしてしまい、今日の勇気は売り切れてしまった。

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